第7章:教育の「脱・工場型」宣言 —— 20年後の手取りを創る「個」の育成
第7章では、現役世代の最大の関心事の一つであり、国家の10年、20年後の「稼ぐ力」を決定づける**「教育」**に切り込みます。現在の日本の教育システムを「時代遅れの工場」と断じ、個人の市場価値を最大化するための抜本的な改革案を提示します。
1. 「明治時代の教育システム」で、AI時代は生き残れない
日本の教育現場は、いまだに明治時代に設計された「工場型モデル」を引きずっている。 同じ年齢の子供を一箇所に集め、同じ教科書を使い、同じペースで、正解のある問いを解かせる。これは、高度経済成長期に「均質で従順な労働者」を大量生産するには最適なシステムだった。
しかし、現代はどうだ。単純な知識の記憶や正確な事務処理は、AIやロボットが最も得意とする領域だ。これまでの「優等生」の定義が、これからの「真っ先に淘汰される人材」の定義に変わろうとしている。 それにもかかわらず、貴重な若者の時間を、時代遅れのカリキュラムで浪費させることは、国家による**「未来の手取りに対する背信行為」**である。
2. 「学びのパーソナライズ化」 —— 学年から個へ
手取り未来党は、教育の「標準化」を廃止し、テクノロジーによる**「個別最適化」**を徹底する。
AI家庭教師の全生徒配備: 「クラス全員で同じ進度」を廃止する。得意な教科はどこまでも先に進み、苦手な場所はAIが理解のつまずきを特定して克服を助ける。これにより、落ちこぼれをなくし、浮きこぼれ(才能の芽)を伸ばす。
「思考の道具」としてのリテラシー教育: 単なる暗記を廃止し、生成AIを使いこなし、情報の真偽を確かめ、課題を解決するための「論理的思考力」と「質問力」を義務教育の核心に据える。
マネーリテラシーの義務化: 「稼ぐ力」と「守る力」を養うため、投資、税制、社会保険の仕組みを10代から実戦形式で学ぶ。
3. 大学教育の再定義 —— 「看板」から「スキル」へ
日本の大学は、依然として「4年間のモラトリアム」と「就職のための看板」になっている。私たちは、この高額な入場料に見合わない現状を破壊する。
教育バウチャー(生涯学習券)の配布: 18歳で一度きりの教育投資を終える時代は終わった。すべての国民に、生涯にわたって使える「教育バウチャー」を配布する。大学、専門学校、あるいは最先端のプログラミングスクール。自分の市場価値を高めたいと思ったときに、いつでも国費で「学び直し」ができる環境を整える。
大学の「出口戦略」の可視化: 各大学、各学部を卒業した者の5年後、10年後の平均年収や離職率、習得したスキルの市場価値をデータ化し、すべて公開する。 「全部、見せてやる。」 ブランドに胡坐をかき、実戦で通用しない人材しか育てられない大学は、自然と淘汰される仕組みを作る。
4. 「リカレント教育」が手取りを増やす最短ルート
第6章で述べた「非正規雇用の撤廃」を支えるのも、この教育改革だ。 労働者が一つの企業に依存せず、いつでも新しいスキルを身につけて、より高い賃金を払う企業へと「手ぶらで移動」できる力。それこそが、究極の雇用安定である。
私たちは、企業が従業員の学び直しに投資した場合の税制優遇を、現在の数倍に強化する。同時に、個人が自ら学んでキャリアアップした際の「成功報酬型」の減税制度を創設する。 「学ぶ人間ほど、手取りが増える」。この至極当然のインセンティブを、社会のOSに組み込む。
5. 教育不平等の解消 —— 塾代という「隠れた税金」
現在の日本は、親の年収が子供の学歴、ひいては将来の年収を決定する「格差固定社会」になりつつある。学校教育の質が低いために、親は高い「塾代」を払わざるを得ない。これは実質的な追加増税だ。
私たちは、公教育を「塾が不要なレベル」まで引き上げる。 オンラインで全国トップクラスの授業を受けられるプラットフォームを国策で整備し、離島にいても、低所得世帯であっても、最高水準の教育にアクセスできるようにする。 「生まれた家」で未来が決まる時代を終わらせ、**「本人の意欲と才能」**で手取りが決まる日本を創る。
教育は、最高の成長戦略である。 今日、一人の子供に投じた教育費は、20年後に数十倍、数百倍の価値となって、本人と、そしてこの国に返ってくる。 そのリターンを最大化するために、私たちは教育という聖域を徹底的に「アップデート」する。
次回予告
教育ということで、奨学金問題のあるべき姿について提案したい。




