第6章:労働の「身分制」解体 —— 非正規(派遣、契約社員)という言葉を死語にする
まだまだ言いたいことはあるので、全5章にわたる『日本手取り倍増計画』のマニフェストに加えて。新章(第6章)の執筆をいたしました。日本の労働市場の最大の歪みである「正規・非正規の分断」に切り込みます。これを単なる「弱者救済」ではなく、「労働力の最大活用」と「経済成長」のための必須戦略として再定義します。
1. 21世紀の日本に残る「見えないカースト」
日本の職場には、法律や契約書を超えた「見えないカースト」が存在する。 同じオフィスで、同じ時間働き、時には正規社員以上の専門性や責任を負いながらも、賞与はなく、退職金もなく、いつ解雇されるか分からない不安に怯える人々。日本の労働者の約4割、2,100万人以上が、この「非正規」という不安定なレールの上に置かれている。
政治家や経済学者は「雇用の流動化」という美しい言葉でこれを正当化してきた。しかし、現実はどうだ。一度非正規のレールに乗れば、そこから正規雇用へ戻る「敗者復活」は極めて困難だ。 これは「流動化」ではない。単なる**「労働力の安売り」と「格差の固定化」**である。
この歪んだ構造が、今の日本の閉塞感、少子化、そして深刻な人手不足の真犯人であると、私たちは断言する。
2. なぜ「非正規の改善」が、あなた(現役世代)の得になるのか
「非正規を優遇すれば、正社員の取り分が減るのではないか?」 そう不安に思う方もいるだろう。だが、事実は逆だ。
安価で使い捨て可能な労働力が市場に溢れている限り、企業には「生産性を上げよう」「高い賃金を払ってでも人を引き止めよう」というインフラ投資の動機が生まれない。結果として、日本全体の賃金は抑制され、正社員の給料も上がらなくなる。 つまり、非正規の低賃金は、正社員の賃金に対する「重し」になっているのだ。
さらに、非正規雇用の不安定さは、将来への不安から消費を冷え込ませ、結婚や出産を諦めさせる。これは国家にとって最大の損失である。 非正規という「身分差」をなくすことは、弱者救済ではない。日本経済全体の「底上げ」と「正常化」のための、避けて通れない外科手術なのだ。
3. 「同一労働・同一賃金」の厳格化と「職務給」への転換
手取り未来党は、名ばかりの「同一労働・同一賃金」を終わらせ、法律によって以下の変革を強制する。
「身分」ではなく「職務」に給与を払う: 正社員か非正規かという「契約形態」ではなく、担当する仕事の内容、責任の重さ、必要なスキルに基づいて賃金が決まるシステムを法制化する。同じ仕事をしているなら、時間給換算で一円の差も認めない。
「非正規」という呼称の廃止: 行政文書および求人広告から「非正規」という差別的な呼称を廃止し、「期間の定めのある・なし」という事務的な区分のみにする。
退職金・福利厚生の「ポータブル(持ち運び)化」: 企業単位の退職金制度ではなく、労働者個人に紐付いた「個人型退職金積立」を義務付ける。これにより、どこでどのような形態で働いても、将来の安心が保障される。
4. 労働力不足を解決する「103万・130万の壁」の爆破
現在、多くの有能な労働力(特に主婦層や学生)が、税金や社会保険料の負担増を避けるために「働き控え」をしている。これが「人手不足」に拍車をかけている。
私たちは、第1章で掲げた「社会保険料の引き下げ」に加え、「年収の壁」を実質的に無効化する税制改正を行う。
「働けば働くほど手取りが増える」スライド制の導入: 特定の金額を超えた瞬間に手取りが減る現在の崖のようなシステムを廃止し、緩やかな負担増に置き換える。
潜在労働力の解放: これにより、現在「制限」をかけて働いている数百万人の労働力がフル活用され、外国人労働者に頼り切らなくても、国内の労働力不足は大幅に緩和される。
5. 「全部、見せてやる」—— 企業の労働実態をスコアリング
どの企業が「職務に見合った公正な賃金」を支払っているか。どの企業が「使い捨ての労働」を強いているか。 私たちは、企業の労働条件データをブロックチェーン上で一元管理し、**「労働透明性スコア」**として一般公開する。
消費者は「ブラックな企業」の商品を避け、求職者は「スコアの高い企業」に集まる。 国が罰則を与えるだけでなく、市場と国民の目が、企業の姿勢を矯正していく。 「見えない場所での搾取」を、テクノロジーの力で不可能にするのだ。
「非正規」という言葉が教科書の中だけのものになったとき、日本は初めて「全員が主役」の経済成長を実現できる。 誰もが自分の能力に見合った対価を得て、堂々と未来を描ける社会。 その第一歩を、ここから始めよう。
次回予告
第7章:教育の「脱・工場型」宣言 —— 20年後の手取りを創る「個」の育成 今の教育システムは、高度成長期の「均質な労働者」を量産するための設計だ。AI時代に生き残るためのスキルとは何か? 大学教育の再定義と、一生涯学び直しが可能な「教育バウチャー」制度について。




