第3章:将来世代ファースト —— 「子供への投資」を強制する法律
第3章では、多くの政党が「票にならない」という理由で避けてきた、最もデリケートかつ不可避な問題――「世代不公平」に切り込みます。これは高齢者対若者の対立ではなく、日本という国を存続させるための唯一の「投資戦略」です。
1. 「未来を食いつぶす」政治の終焉
今の日本の国家予算は、例えるなら「貯金を切り崩しながら、明日の食費を宴会に使い込んでいる家計」のような状態だ。 年間約110兆円を超える一般会計予算のうち、その多くは社会保障費、すなわち「過去と現在の安心」のために消えていく。もちろん、高齢者の命と生活を守ることは重要だ。しかし、その陰で「未来を作るための投資」――教育、研究開発、子育て支援――は、常に後回しにされ、あるいは「財源がない」という一言で切り捨てられてきた。
政治家がそうするのは、至極単純な理由だ。未来を生きる子供たちは、今の選挙で票を持っていないからだ。
4年、あるいは6年という短い任期の中で実績を上げたい政治家にとって、20年後に実を結ぶ「子供への投資」は効率が悪い。結果として、日本は「今を生きる人のための、今だけの政治」を30年間続けてきた。その果てにあるのが、現在の少子化と国力の衰退である。 私たちは、この「時間軸の欠如」を制度的に解決する。
2. 「将来世代予算」10%の強制配分
手取り未来党は、国家財政法を改正し、**「将来世代予算」**を創設する。 これは、国家予算の少なくとも10%を、10年〜20年後の社会基盤を形成する「子育て・教育・次世代産業」に強制的に配分する仕組みだ。
聖域なき予算枠: この10%は、いかなる緊急時(災害時を除く)であっても、他の支出に流用することを禁じる。
教育の無償化と質の向上: 単に大学を無償化するだけでなく、デジタル・リテラシーやSTEAM教育への集中的な投資を行い、世界で戦える人材を育成する。
「未来への還元」が見える化: この予算が将来的にどれほどの税収増をもたらすか、AIによるシミュレーション結果を常に公開し、国民が投資の進捗を確認できるようにする。
これは「施し」ではない。日本という国の価値を最大化するための、最も利回りの高い**「成長投資」**なのだ。
3. 現役世代負担の「天井」を設定する
「将来のために負担をお願いします」という言葉は、現役世代にとって、もはや「これ以上奪わないでくれ」という悲鳴に等しい。 私たちは、現役世代を「無限に絞れるATM」とみなす政治を拒絶する。
そこで導入するのが、**「社会保険料・税負担の上限制度」**だ。 現役世代一人ひとりの所得に対し、公的な負担(年金、健康保険、介護保険、税)の合計が一定の割合を超えないよう、法律で天井を設ける。どれほど少子高齢化が進もうとも、働く人間のやる気を削ぐほどの収奪は許されない。
「それでは足りなくなる」という声には、第1章と第2章で述べた「行政の徹底的な効率化」と「高齢者医療の適正化」で応える。 誰かに無限の負担を強いるのではなく、全員が納得できる「負担の適正化」こそが、真の共生社会への道である。
4. 子育て世帯への「生涯手取り増」保証
「子供を持つと損をする」という感覚。これが今の日本を覆う最大の閉塞感の正体だ。 手取り未来党は、この感覚を根底から覆す。
住宅ローン減税の「子育て世帯特化」強化: 子供の数に応じて、住宅ローンの控除率を大幅に引き上げる。住まいの不安を解消し、広い家で子供を育てる選択肢を提供する。
児童手当の恒久化と所得制限の完全撤廃: 「稼ぐ親」を罰するような所得制限は即座に廃止する。すべての子供に、国が等しく投資する姿勢を示す。
年金積立の「子育て加算」: 子供を育て、次世代の納税者を育てた貢献を、将来の年金受給額に反映させる仕組みを構築する。
これらをパッケージ化し、**「子育てをした方が、生涯の手取り額が増える」**という逆転のインセンティブを設計する。
5. 高齢者への「正直な」提案
私たちは高齢者を見捨てない。むしろ、今の不透明なシステムこそが高齢者の不安を煽っていると考えている。 「いつか破綻するのではないか」という不安を抱えながら、現役世代から恨まれて受け取る年金は、幸福な老後と言えるだろうか。
私たちは高齢者に対しても、「全部、見せてやる」。 今の現役世代がどれほどの負担に耐え、未来がどれほど危機的な状況にあるのかを、包み隠さずデータで示す。その上で、健康で余裕のある高齢層には、次世代のために少しずつ、しかし確実に「負担の適正化」への協力を要請する。
それは、ご自身の孫やひ孫たちが、日本という国で明るい未来を描けるようにするためだ。 世代間の対立を煽るのではなく、**「未来という共通の目的」**のために手を携える。それが、手取り未来党が目指す「現実中道」の姿である。
次回予告
第4章:AI行政と選別的開国 —— 2030年の労働力不足をどう解くか 減税と投資の財源はどこから来るのか? 答えは「生産性の劇的な向上」と「賢い外貨の獲得」にある。AIによる行政解体、そして「日本に貢献する外国人」を選別して受け入れる、新時代の国家生存戦略を公開します。




