第13章:生産年齢人口の急減を「AI共生・自動化」で克服する —— 労働の「量」から「価値」への革命
1. 「人がいない」という絶望を、進化のトリガーに変える
「2024年問題」という言葉が、物流や建設の現場を震えさせている。トラックが止まり、荷物が届かず、工事が進まない。政治家やメディアは「人手不足が深刻だ」と嘆き、外国人労働者の受け入れ拡大や、高齢者の就労継続を叫ぶ。
だが、手取り未来党の視点は違う。「人手不足」は、日本が世界に先駆けて「人間が労働から解放される」ための、神からのギフトである。
これまでの日本経済は、安価で良質な労働力を「使い潰す」ことで成り立っていた。サービス残業、非正規雇用の拡大、精神論による効率化。その結果が、今の「上がらない賃金」と「減り続ける手取り」だ。人が余っている限り、企業は高い投資をして機械化・自動化を進める動機を持たない。 しかし、今や「人がいない」。これこそが、30年停滞した日本の産業構造を強制的にアップデートする唯一にして最大のチャンスなのだ。
2. 物流・インフラの「完全自動化」:2024年問題を過去にする
物流が止まれば、経済の毛細血管が死ぬ。私たちは、物流を「苦肉の策」で維持するのではなく、テクノロジーで「無人化」する。
自動運転専用レーンの国家敷設: 主要高速道路に、完全無人トラック専用のレーンを設置する。法規制を撤廃し、レベル4・レベル5の自動運転を24時間稼働させる。これにより、ドライバーの長時間労働問題を解決するだけでなく、輸送コストを劇的に下げ、物価高騰に対する強力な「デフレ要因(価格抑制)」を作り出す。
ドローン・ポートの義務化と「ラストワンマイル」の解放: 新築のマンションや商業施設には、ドローン離着陸ポートの設置を義務付ける。都市部から過疎地まで、荷物は「空」を飛んで届く。人間が階段を駆け上がる労働は、ロボットの仕事へと置き換える。
ブロックチェーンによる「スマート・ロジスティクス」: 荷主、運送業者、受取人の情報をブロックチェーンで統合。再配達という巨大な社会的損失(年間約0.9億時間)を、スマートコントラクトによる正確な配送指定と自動決済でゼロにする。
3. ホワイトカラーの「AIリプレイス」と公務員削減
人手不足が叫ばれる一方で、オフィスの中には「AIで代行可能な無意味な作業」に従事する人間が溢れている。
行政手続きの「UI化」: 第5章でも触れたが、役所の窓口に行く必要性を物理的に消滅させる。すべての行政判断をAIが行い、人間は「例外処理」と「最終責任」のみを担う。これにより、公務員の数を半分以下に削減し、その人件費を「手取り増」のための減税原資に充てる。
AI導入企業への「生産性向上減税」: 従業員一人当たりの付加価値(生産性)を向上させた企業に対し、法人税を大幅に減税する。逆に、古い慣習にしがみつき、非効率な労働を強いる企業からは「非効率課税」を徴収する。これにより、労働力を「価値の低い仕事」から「価値の高い仕事」へと強制的に移動させる。
4. なぜ「自動化」があなたの「手取り」を増やすのか
多くの人が誤解している。「仕事が機械に奪われたら、収入がなくなるのではないか」と。事実は逆だ。
① 「労働の希少価値」の向上 単純作業が自動化されれば、人間にしかできない仕事(クリエイティビティ、対人ケア、高度な意思決定、職人技術)の価値は相対的に跳ね上がる。1時間あたりの価値が高まれば、短時間労働で今の倍以上の賃金を得ることが論理的に可能になる。
② 「中間搾取」の消滅 現在、あなたの給料が低いのは、あなたと消費者の間に「非効率な中間業者」や「無駄な管理職」が何層も重なっているからだ。AIとブロックチェーンによるダイレクトな経済活動は、これらの中抜きを排除し、生み出された利益をダイレクトに「働く本人」の手元に届ける。
③ 社会保険料の引き下げ 自動化によって産業全体の生産性が上がれば、少ない現役世代でも国全体を支えるだけの税収が確保できる。これにより、現役世代を苦しめている社会保険料の料率を下げ、手取りを直接的に増やすことができる。
5. リスキリングを「権利」から「義務」へ
「自動化」の波に取り残される不安を、私たちは放置しない。
「ベーシック・ラーニング・インカム」の創設: AI時代に適応するための再教育(プログラミング、AI活用術、データ分析等)を受ける期間、国が生活費を完全に保障する。これは「失業手当」ではなく、国家の生産性を高めるための「先行投資」である。
「個の稼ぐ力」の最大化: 学校教育から社会人教育まで、一貫して「組織に従順な歯車」ではなく「テクノロジーを使いこなす指揮者」を育成する。
補足と考察:精神論の終焉と「真の人間性」
日本には「汗をかくことが尊い」「苦労してこそ報酬がある」という、ある種の宗教的な労働観が根強く残っている。だが、その精神論こそが、低賃金と長時間労働の温床だった。
手取り未来党が目指すのは、**「汗をかかないで稼ぐ日本」**だ。 機械ができることは機械に、AIができることはAIに。人間は、人間にしかできない「楽しみ」や「創造」や「愛」のために時間を使う。その結果として、給与明細の「手取り額」が倍増している社会。
「人手不足」というピンチを、日本人が「労働の苦役」から卒業するための最大のチャンスへと転換する。それが、本計画の第13章が示す未来だ。
この章では、「人手不足=悪」という固定観念を破壊し、テクノロジーによる「強制的な高付加価値化」を提案しました。これにより、物価高に負けない「強い実質賃金」を実現します。
次は、社会の分断を生んでいる格差と、取り残された人々をどう救うか。**「第14章:格差と貧困を『デジタル資産民主化』で解消する —— 相対的貧困からの脱出」**を執筆いたします。




