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伯爵令嬢シェリア・ハジェットの夢~はじうま令嬢は、舞台の上で輝きたい~  作者: Na20


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「……エリーが」



 私は先ほど教師から聞いたことを話した。

 エセル様は私の話を最後まで黙って聞いてくれた。



「……だからエリーに会わなくちゃ行けないのに、私はエリーがどこに住んでいるかも知らなくて……」


「なるほど」


「このままじゃもう二度と会えないような気がして……でもどうしたらいいのか」



 こんなんじゃ友達失格だ。

 私に出きることなんて何も――



「大丈夫」


「え?」


「私がいる。ほら行こう」



 エセル様に手を取られ、たどり着いたのは学園の馬車乗り場。

 今の時間は授業中。本来なら馬車はないはずなのだが、そこには一台の馬車が。



「この馬車は……?」


「これは私が手配した馬車だから心配いらないよ。さぁどうぞ」



 促されるままに馬車に乗り込む。

 そして馬車は進み始めるが、一体どこに向かっているのか。



「あの、エセル様。この馬車は一体どこに」


「ラストル男爵家だよ」


「えっ……」


「エリー・ラストルに会いたいんだろう?」


「そう、ですが……」



 たしかにそうなのだが、あまりにも流れが速すぎて、まだ理解が追い付いていない。

 そもそもなぜ馬車があったのか。

 そしてこの馬車は目的地を告げることなく動き出したのか。

 それにあの時間は授業中だった。だからエセル様と会うわけないはずなのに……


 そこまで考えて私はようやく気がついた。



「……もしかして、ご存じだったのですか?」


「何がかな?」


「その……エリーが退学したことを」



 そう考えれば辻褄が合う。

 エセル様はすでにエリーの状況を知っていたのだ。



「うん、知っていたよ」


「それなら私に教えてくれても」


「もし教えたとして、君に何かできたの?」


「っ!そ、れは……」



 何も言えなかった。

 結局少し早く知ったところで、彼女の居場所さえ知らない私にはできることなんてなかったのだ。



「あ……ごめん。そんな顔させたかったわけじゃないんだ」


「……じゃあどうして」


「……嫉妬だよ」


「え?」



 エセル様が嫉妬?一体何に?

 あまりにも彼に似つかわしくない言葉に戸惑ってしまう。



「最近は私といても彼女のことばかり気にかけていただろう?だからちょっと意地悪したくなったんだ」


「い、意地悪って……」


 ねぇエセル様はどうしちゃったの?それとも私の耳がおかしいの?

 今は周りに誰もいない。だからそんな愛おしそうな表情はしなくてもいいのに。

 エセル様の表情を見ると、なぜだか胸が苦しくなる。



「……今は意識してくれただけで十分か」


「え?」


「いや、なんでもないよ。話を戻すけど、実は以前から彼女のことは調べていたんだ。……ああ、勘違いしないでね。ほら、私たちには誰にも言えない秘密があるだろう?だから念のためにね」


「!」



 エセル様がエリーを調べていたことについては、何か言うつもりはない。

 私たちの関係は契約に基づくもので、決して他の人に知られてはいけないから。

 でもさ『誰にも言えない秘密』って……わざわざいかがわしい言い方はしないでよ!


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