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第73話 ゴーレム強襲

 師匠ぉぉおお! 俺達、まだ飛行の魔法を唱えてないんだけど!


「風と闇の精霊よ。我、重力の束縛を絶ちて、風の翼をまとわん。ウィンド・ウィング」


 俺は降下しながら、飛行の魔法を唱えた。飛行の魔法を制御して、事前に決めた位置へ移動しながら降下していく。

 眼下にゴーレムが小さく見えた。この高度からなら、レーザー系攻撃魔法の射程距離だ。


「光の精霊よ。汝、刹那たる閃光の瞬き。汝、永劫なる焦熱の輝き。我、光衣を身にまといて、灼熱の力、束ねん。灼熱の光りよ。我が導きに従え!」


 城壁の外に配置されたゴーレムに狙いを定める。要は真上から貫通力のある攻撃魔法を使えば、ゴーレムだけを狙えるってことだ。


「ヘリオスタット!」


 俺の手から巨大なレーザーが放たれた。直径が子供の身長くらいある、極太レーザーだ。

 ゴーレムは頭から股間までレーザーに貫かれ、真っ二つになって崩れ落ちた。


 俺は高度を保ちながら、ゴーレムを探す。

 いた! もう一匹城壁の外にいる。

 俺はもう一度ヘリオスタットを唱えながら、近くのゴーレムに向かって飛ぶ。気分はスナイパーだ。


「……我が導きに従え! ヘリオスタット!」


 奇襲に気づいたゴーレムが動き出したが、時すでに遅し。

 再びレーザーがゴーレムを貫いた。

 都市の外周で、次々と爆発が起こり、都市のあちこちから、ガーゴイルらしき石像が飛び立った。


 俺は作戦通りに、ガーゴイルを倒しながら、都市の南西に向けて飛ぶと、琴音とアリサさんが見えた。

 風の音がうるさく肉声は届かない。俺は通信用に用意した式札を通じて二人に声をかける。


「俺と琴音はガーゴイルを排除。ゴーレムはアリサさんに任せた!」


「了解。それにしても死ぬかと思ったわ。沖田さんにはいつか仕返ししたい!」


「絶対返り討ちにされるだけだぞ」


「キイィッ! この怒り! ゴーレムで晴らしてやるわ!」


「あんまり派手にやるなよ。人はもういないけど、建物はなるべく壊さないようにしないと」


「わかっているわよ!」


 都市の外周にいたゴーレムは、強力な魔法で倒せたからいいけど、問題は都市の内部にいるゴーレムだ。

 王女様の要望で、被害は極力抑えないといけない。


「秀ちゃん。メイン通りっぽいところに、中型ゴーレム発見!」


「ナイス琴音! 行くぞ!」


「了!」


「了解! 私はちょっと高度下げてから撃つわ!」


 大通りの中央に、中型のゴーレムがいた。二階建ての家より頭ひとつ大きい。その周りには護衛のためなのか、それとも部隊を編成しているのか、ガーゴイルが十匹くらい取り巻いていた。

 まずは上空からガーゴイル達に狙いを定める。


「あまたに漂う風の精霊よ。天空より御下りて敵を撃て。来たれ、蒼き稲妻! ブルーライトニングレーザー」


 青い稲妻を纏ったレーザーがガーゴイルを貫く。

 まるでシューティングゲームだ。


「あーもー! 家に当たっちゃう!」


「確かにな! 下が道だったら当てられるのに!」


「秀ちゃん! 接近戦の方がいいよ! もらったアレ使ってみよ」


「了解だ!」


 俺と琴音はアイテムボックスからウォーハンマーを取り出した。つかが長く、先は鉄槌がついている。

 実は都市襲撃イベント報酬で貰った武器で、レアリティもそこそこ高い。スキル取得のために、ちょっとだけ使ったけど、その後はアイテムボックスの肥やしになっていた。ガーゴイルみたいに、体が石でできてるやつには、刃物より打撃だ。

 俺は飛行魔法を制御しつつ、ガーゴイルに向かってウォーハンマーを構える。


「クラッシュ!」


 ハンマー専用の打撃スキルを、ガーゴイル目がけて叩きつける。

 インパクトの瞬間、ウォーハンマーが光り、ガーゴイルの胴体が砕け散った。

 降りぬいてしまったので、遠心力のせいでくるっと一回転。そのまま近くのガーゴイル目掛けて、ウォーハンマーを叩きつけた。


「グギャアッ」


 ガーゴイルが断末魔を上げて砕け散った。


 空中でハンマーを使うって難しくないか? 俺は飛行魔法を制御し、なんとか回転を抑えて、一旦家の屋根に着地した。屋根の瓦を踏み抜き、破片が飛び散る。

 大通りで上を見上げていたゴーレムに、アリサさんが放った極太レーザーが突き刺さった。

 惜しい。右腕を吹っ飛ばしただけだ。

 おっとそんな場合じゃない。着地した俺を目掛けて、ガーゴイルが群がってきた。


「来いよ! お前の相手は俺だ!」


「私だ!」


 通りを挟んだ向こうの屋根で、琴音も叫んでいた。

 再び空から極太レーザーが発射されたけど、今度は外れてしまった。

 

 ゴーレムが瓦礫を拾い上げ、アリサさん目掛けて投げつけた。


「ちょっ!」


 慌てて避けるアリサさん。


「オン・タラカ・ホン! 爆破符・焔散えんさん! 急急如律令!」


 俺はガーゴイルの攻撃を避けつつ、ゴーレムに向かって札を放った。

 ゴーレムは再び瓦礫を拾おうとしたが、その腕を爆破されてよろめいた。


「あっ!」


 ゴーレムがすぐ隣の家に手をつくと、家に大穴が空いてしまった。


「やべぇ!」


「ギャギャッ!」


 一部のガーゴイルがアリサさんに標的を切り替えた

 俺は屋根から飛び立って、次から次へ、ガーゴイルにハンマーを叩き込んでいく。


「やっとガーゴイルが片付いたな!」


「こっちもこれで終わりよ! これだけ近づけば当たる! 光の精霊よ。汝、刹那たる閃光の瞬き。汝、永劫なる焦熱の輝き。我、光衣を身にまといて、灼熱の力、束ねん。灼熱の光りよ。我が導きに従え! ヘリオスタット!」


 今度こそ、極太レーザーがゴーレムに直撃、頭から胴を貫き、巨体が崩れていく。

 地面にはそれなりに深い穴が三つ。倒壊した家が一つ。

 ……見なかったことにしたい。


 俺達は南西のゴーレム部隊をかたずけると、中央に向かった。

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