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第14話 妖術師誕生?

 昨日飲みすぎたアリサさんと狐鈴は、二日酔いで今日はお休み。

 一緒に冒険だ! ってアリサさんのチャンネルで決起会した翌日にこれだ。流石は狐の妖怪。自由奔放すぎるだろ。


 それにしても、妖狐でも酔っ払うんだよな。まぁ神話に出てくるような神様や妖怪も、酒に酔って大変な目に遭ってるし、そんなもんか。


「今日は二人で冒険だな」


「そうだね! ちょっと本気出して進んじゃう? そろそろ森の向こう側に行きたいし。きっとゲートがあるでしょ!」


「俺もそう思ってた! マップ開拓もしたいし行こうぜ!」


「うんっ!」


 本気を出すって言っても陰陽術を使うわけじゃない。スキルを使った方が、スキルレベルが上がるからな。戦ってもスキルの経験値が入らないのはモチベ下がるんだよ。


 アストラルゲートから離れてると、移動しながら防御魔法で障壁を張り、高速移動のスキルを発動する。


「スプリンター!」


 まるで早送りのように景色が流れ、森が目の前に迫る。


「ダブル・ジャンプ!」


 真面目に森の中を進まない。木々の上をまるで飛ぶようにジャンプして移動する。


「エア・スキャフォールド!」


 丁度いい枝がなければ、空中に足場を作るスキルを発動してジャンプだ。防御障壁の魔法を張っているから、ちょっとやそっとの枝葉なら、当たっても大丈夫だし、浮遊の魔法を使えば、落下スピードを落として着地できる。

 モンスターがいたら、琴音と阿吽の呼吸でサクサクと倒していった。


 小一時間程で、移動系の上位スキルを閃き、更に突き進むスピードが増していく。

 まるで忍者みたいに木の枝から枝に飛び移り、飛翔するように大ジャンプして距離を稼ぐ。スキルを使い続けると、次々と閃いていくのは楽しい。スキルポイント回復アイテムが湯水のように消えていくが、必要経費だ。


 スキルを使い続けていたのに、なぜか魔法を閃いた。スキルと魔法は連動しているのか? それとも経験から閃くのか?


「琴音! 琴音は出たか! 飛翔魔法!」


 ビュウビュウと風が鳴る中、琴音に式札を通じて声を送る。


「出た出た! アドレナリンもドバドバだよ!」


 飛行でなく飛翔。空を自由に飛ぶとまではいかず、大ジャンプするように上空に打ち上げられ、その後滑空する魔法だ。制御が難しいが、墜落しても防御魔法でなんとかなる。度胸さえあればな!


「風の精霊よ。導け。我を空の高みへ。自由の翼となりて! ウィンド・グライド!」


 俺達はさっそく飛翔魔法を唱えて大ジャンプ。下を見ると木々が小さくなっていき、上を見ると雲に手が届きそうだ。


「式神に乗って飛ぶより全然いいな!」


「あははは! 秀ちゃん楽しー!」


「あぁ! 楽しいな!」



「そろそろ森がなくなる!」


「すっごい! こんなの日本じゃ見れないよ!」


 森の先には、どこまでも続く草原が広がっていた。


「あぁ! 壮観だな!」


 草原に風が吹き抜けるたびに、青々とした草が波のように揺れる。所々に咲く花の群生が、日の光を受けて白く輝いて見えた。


「どっちにいけばいいかな……」


「秀ちゃんあっち!」


 草原の先はなだらか斜面になっていて、丘の上にアストラルゲートがあった。マップには風の丘と表示されている。


「アストラルゲートまで行ったら今日は終わるか」


 太陽は真上を少し過ぎたくらいだ。


「ちょっと早いけど、たまにはいいよね」



 昼過ぎに戻ると、ムスッとしたアリサさんが待っていた。

 二日酔いから復活した狐鈴も、俺達がどう対処するかニヤニヤしながら見ている。


「私、足手まといじゃない?」


 俺達のライブ配信を見てたのか……やばい、凄くご機嫌斜めだ。


「そんな事ないぞ。後衛がいた方が安心できるしな!」


「そうだよ! 足手まといとか思ってないし!」


「フォローなんていらないわ。私、あんなスキルの使い方なんてできないかもしれない。でもそれならせめて陰陽術を教えて。私見鬼なんでしょう? 狐鈴さんも才能あるって言ってたし。その代わり配信のコツとかノウハウを教えるわ」


「教える! 教える! 俺も配信の事、教わりたいと思ってたし!」


「でもどうしようか? 陰陽術の勉強、いっぱいしないといけないし……」


「ならば我が教えてやろう。陰陽術ではなく、狐の妖術じゃがな」


「よ、妖術!?」


「恐れる事はない。根っこは陰陽術と同じじゃよ。借りる力が狐の神に偏っておるだけの事。学ぶ量も少なくて済む」


「俺達としては賛成しかねるけど」


「くっくっく。陰陽局としては、妖術使いが増えるのは、頭が痛い事じゃろう。ならば元の世界に戻ったら、正式に陰陽術を教え、矯正すればいいだけのことじゃ」


「そうだな。今から陰陽術を習うのは時間がかかりすぎる」


「小娘、いや、アリサよ。しばらくパワーレベリングも行うぞ」


「えっ?」


「我がアリサに憑依して体を動かしてやろう。まずは動きに慣れろ。そして自分の物にするのじゃ。我の妖気も通してやろう。循環して自分の物にせよ」


「え? 憑依? 妖気? 嫌な予感しかしないんですけど!」


「早速始めるぞ。まずは走り込みじゃな! 秀一が使ってたスプリンターとか言う、早く走るスキルを取得するぞ」


「えっ! 今から!?」


「当たり前じゃ! 明日は秀一達について行くのじゃぞ!」


「えええっ!」


「しゃーない。俺達も付き合うか?」


「嫌! 今日は秀ちゃんとイチャイチャしたい! アイテムの補充もあるし、デートしよ!」


「お、おう!」


「アリサさん、頑張ってね!」


「ずるい! リア充! 爆発しろ!」

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