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受験を洋楽で乗りきった話(主に親が)  作者: のどあめ


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8/21

振り払ってもストレスまみれの夏

 学校からよれよれになって帰宅して塾に通う一学期が終了。

夏休みに突入した。


 夏休みは、夏期講習に課題。

計算演習はタイムを測り丸つけなど忙しい。それでも、塾の間は母子が離れるので夏休みは比較的気楽ではあった。


 その頃、気になったのはたろうの途中式を省く癖と筆圧の弱さ。


「本番では気をつけるから」


 これ。宥めても注意しても反抗期突入している小学生男子は聞く耳を持たない。家の空気は……悪かった。


 ちなみに相方はたろうの偏差値を見て「なんや、この偏差値は。小学生でこの偏差値って……(頭、相当悪いと違うんか?)」「たろうはお前に似てるな」と鼻で笑いやがった。くそう。


 お返しに国内最難関の算数問題を解かせたら、理系でそこそこ難関大卒の相方が解けなかった。

「ハハハ、さすが名門校、難しいな。」と言ってたが。私は見た、笑顔がひきつっているのを。ざまあ。



 さて。どんなに母息子が険悪でも休憩で洋楽をyoutubeで見る時はお互いに和解した。ちなみにたろうはスマホ持ちではなかった。


「何を見る?」

「テイラースイフト!」


 Taylor Swiftの「Shake it off」は飽きるほど視聴した。


 ~♪~

私は止まれないし止まらない。

心の中の音楽が言ってくれるの、大丈夫だよって

 ~♪~


 このフレーズを聞くとどんなにへこんでいても元気になる気がした。この後に、「遊び人はずっと浮気するし、悪口言う人は~でも私は気にしない」という有名なサビになる。――周りに振り回されない事は大事だよね、難しいけど。と当時たろうの偏差値に振り回されていた自分を省みて思う。


 そう。「気にしない」と言っても。九月の模試で成績を伸ばしたい。だからたろうの途中式省略は気になって、言い合いになる。


 親からすると子どもが命綱無しでバンジージャンプに挑むようで気が気ではないのだ。

「自分、(受験生として)死にたいんか?」

と肩持って揺らしたい気分だった。


 講習や自宅学習で頑張る、たろう。しかし、調子は上がらなかった。


「ぐっ どっ で~え」


 たろうは宿題をやりながら口ずさむようになった。


 Twenty One Pilots 「Stressed Out」の一節だ。


 ~♪~

 時をもどせたら、懐かしい日々(the good old days)に戻りたい。

 ママが歌って寝かしてくれたあの頃に。なのに今じゃストレスまみれだ。

 ~♪~


 改めて和訳を見ると、小六が歌う曲じゃないよなと思う。誰だよ、こんな歌教えたの……私だよ。まあ、朝から晩まで勉強でストレスはたまるよな。


「僕はぼんやり顔、周りの目が気になってならない」とか「ごっこ遊びをして宇宙を夢みてたのに。今は皆が笑って言うんだ。夢から覚めて金稼げって」とか刺さるフレーズが満載の歌だ。


 しかし、アメリカ社会は厳しいな。それに近づく日本社会も。今や学生ローンとか普通に聞くようになったし。


 こうして調子が戻らない感触のまま、ぼんやりした不安を抱えた九月の模試の結果。偏差値は前回から+4だった。


 たろうは頑張った、頑張ったけど。このままならM校は届くだろう。だが本命N 校までは届かない。


たろうの塾は無謀受験を許さない方針だった。このままではN校受験にゴーサインが出ない可能性がある。それを思いじわっと冷たい汗を感じた。



 小六 九月時点

 本命校目標偏差値より-8。


お読み頂きありがとうございます。

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