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受験を洋楽で乗りきった話(主に親が)  作者: のどあめ


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10/21

勝ち筋が見えない秋、泣いた秋

クソ親な場面があります。不快に思われたら読みとばしてください。

 先生方との面談の後、忙しない日々が続いた。


 例えば受験校再考の為の説明会・イベントの参加に過去問演習の開始。スケジュール見返すだけでうっとなった。


 たろうのメンタル対策も思いつく限り行った。手始めに模試会場を受験予定校にしたり。合格グッズを買ってみたり。


 洋楽はファイトソングに変わっていった。




 当時、私を悩ませたのが2/1にM校、N校どちらを受けるかであった。


 前年までN校より偏差値5ほど低い立ち位置だったM校の偏差値が()()()()()()たろうの受験する年に上がっていたのだ。


 N校 一回目 - (基準)

  二回目 +4


 M校 一回目 -3

  二回目 -2

  三回目 -4


 位置付けとしてはこんな感じ。

 三回目を受ければとお思いだろうが三回目は少人数しかとらない。上位校残念組も含め百人以上の受験生が雪崩れ込む。その状況でたろうが取れるとは思えなかった。


 N校の二回目も同様。合格をとるなら2/1の一回目になるだろうと私は考えていた。


安全校が無い。

かといって他に行かせたい学校も無い。



 私は毎晩、偏差値表を眺めて悩む日々を送っていた。更年期も重なっていて体調はぎりぎりだった。



 だからだろうか。私は爆発した。


 きっかけは過去問の丸付けだった。算数で途中式を飛ばした回答に私は配点を0にした。


「これからは途中式書いてなかったら0点にするで」

「どうして!答あっとるやん」


 ごねる、たろう。あれからB先生から相当注意してもらったのに、彼の式を省く癖は続いていた。


 ついに堪忍袋の緒が切れた。


 ドンッ


 思い切り机を叩く音が母息子二人だけのリビングに響く。


「あのなあ?」

 固まるたろうを睨む。

「途中式省いても満点なら、お母さん文句言わないわ。うちの子良くできるわ~っで終わるわ。でも計算合うてるか?……違うやろ!」


 たろうは静かに泣きだした。

鼻をすすり上げる音が聞こえる。

そんな息子に追い討ちをかけるように私は言った。


「M校の先生が説明しとった。M校は答だけ合ってても駄目なんや。途中式書かんと減点される。逆に答が間違っても途中式があれば部分点くれるんやで。絶対に書かなあかん!」


 心のどこかで思った。


 この子はきっと私を許さないだろう。将来私から離れても当たり前の事をしていると。

それでも止められなかった。


 心の中の勝負師が言うのだ。

算数を放置していては勝ち筋が見えない。このままじゃ 全敗だと……実力はある子なのに。


 メンタル面に気を遣ってきたのに、一瞬で台無しにした自分が嫌になった夜だった。


 ~♪~

 あの娘、ちょっとおかしいのよ。

 夜に叫ぶのよ?

 わたし、おかしくなりそうって

 ~♪~


  Ava Max「Sweet but Psycho 」のメロディが脳内を流れる。歌詞の様におかしくなっている。

わかっていても止められない。


 たろうが可哀想だ、可愛くもない母に詰められて…。




 10月の模試。学校会場をと考えていたのに予約が取れなかった。なんとかとれた会場へ送り出す時にたろうはぽつりと言った。


「これだけ頑張って駄目なら何やっても駄目さ。」


 ――息子を送り出した私は、自宅に戻り相方の前で泣いた。


 子どもにこんな事を言わせるなんて。




 10月の模試は前回より+2。


算数が前回より+9。得意科目の理科が足を引っ張った。


 小六 10月時点

 本命校目標偏差値より-6。

 M校目標偏差値より-2。


 算数の調子が戻ってきたが、本命校まではまだ遠い。後、二ヶ月で届くのだろうか。

 届いて欲しいと祈る日々を私は過ごす。


読みにくい回をお読み頂きありがとうございます。難産だったこの話が底です。

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