第八話「極彩色の甘い罠!? マカロンスライムとシャルルの再挑戦」
俺たちは今――**スイーツ魔法都市**の中心にいた。
建物の壁はパステル、路地は粉糖、空気は甘い。
その中央にある「スイーツドーム」に現れた、今回のターゲットが……
◆ モンスター出現!【マカロンスライム】
・色とりどりの個体が存在(ピンク=ラズベリー、緑=ピスタチオなど)
・表面はサクサク、中身はねっとり&ぷるぷる
・非常に気まぐれ。機嫌を損ねると“砂糖嵐”で周囲を粉まみれに!
・捕獲と調理には、芸術的感性が必要――
「……って、調理スキルの前に、色彩センスが試されてるんだけど!?」
「マカロンて……スライムにしては方向性ぶっ飛びすぎだろ……」
しかもその時――突如響く、靴音と高笑い。
「ふふ、また会ったね……無骨なグルメ狩人ども!」
現れたのは、やはりこの男――
シャルル・ド・グルメール(再来)!
「シャルル……また出たな、スカし男!」
「てか、さっき負けたのにもう復活してんのかよ……胃袋鉄壁かよ……」
「前回は“香り”を封じられた。ならば今回は、“色と見た目”で勝負する!」
「スイーツとは、恋に落ちる見た目と一瞬の口どけ!
その本質を知らぬ者に、マカロンスライムは扱えぬッ!」
「……うざいけど言ってることは正論なのがまた腹立つッ!」
◆ ◆ ◆
スライムたちは、まるで踊るようにふよふよと空中を舞い、色ごとに個性を発揮してくる。
・ピンク:ツンデレ系。タッチを嫌う。
・イエロー:よく笑うが爆発しやすい。
・ブルー:無口系でぷるんぷるん震えてる。
・紫:こっちの心理状態を見抜いてくる!?
「やべぇ、マカロンに精神攻撃されてる……!」
「このスライム、味以上に性格キツくない!?」
そんな中、シャルルは悠然と歩を進め、優雅にポーズを決める。
「さあ、おいで――モン・シュシュ・マカロンヌ!(僕の愛しきマカロンたち)」
スライムたちが彼の周囲に吸い寄せられていく。
……え、なにその乙女ゲーの攻略王子みたいな空気。
「だが、俺たちには――力技があるッ!!」
マリーネがスライムたちに向け、トリプル泡ホイップ魔法を発動!
→ 表面をふわふわで包み、性格を中和し、味を引き立てる状態へ!
→ さらに“熱伝導スプーン”で絶妙に火入れし――
完成!【極彩マカロンスライム・三重奏アソート】
ピスタチオ、ラズベリー、アールグレイ。
それぞれのぷるぷる食感と、さくっとした表面。
なぜか食べるたび、違う“告白セリフ”が心に響く……(スライムの魔力か!?)
「……ふ、ふざけてるように見えて、完成度たけぇ……」
「これが……“ぷるさく”の極致……!」
シャルル、またしても敗北――しかし彼は満足げに笑う。
「いいだろう。また次の食戦場で会おう……僕らは、味のライバルだからね」
「おまえ……次回の登場も自分で確約してくなよ!?」
◆ ◆ ◆
甘さの裏に、強烈な個性あり。
スライムは、世界の奥深さをスイーツで教えてくれる。