第三話「ぷるぷるデザート!? 甘味スライムとお菓子の村」
「ここが……お菓子の村……!?」
見渡す限り、建物はクッキーとチョコ。
街灯はキャンディケイン。
そして空気からすでに甘い。むしろ糖度が高すぎて歩くだけで虫歯になるレベル。
村の名前はシュガーヴィレッジ。
その中心部に、こう書かれた看板があった。
『スライム甘味フェスティバル開催中!!』
「ここだ……俺のスイーツ欲を満たす聖地はここだったんだ……」
「……あんた、甘いの好きだったの?」
「違う。スイーツ味のスライムがいるなら、それはもう調査対象というか、胃袋対象というか……」
そして現れる、今回のターゲット。
【甘味スライム三姉妹】
プリンスライム:ぷるぷるのプリン型。カラメル攻撃でベトベトにしてくる。
ゼラスライム:涼しげなゼリー型。攻撃はしないが、滑って転ばせる。
ホイップスライム:常にふわふわで飛んでいる。くすぐり攻撃が得意。
「こ、こいつら……」
「すごいわ。完璧な三重構造……!まさにスイーツの結界……!」
村の人たちも言う。
「あの三姉妹、村のデザートを守ってるんです」
「でも最近、スイーツを全部占拠してしまって……」
つまり、倒さないとケーキが食えない。
これは戦争である。
* * *
戦闘開始!
俺たちは、まずホイップスライムに挑んだ。
「くっ、空を飛びながらホイップを飛ばしてくるとは……!」
「甘いッ!いや味は!……くすぐったっ、わあああああ!!!」
「耐えて!今、泡で捕獲するわ!」
マリーネが得意の泡スライムを投下。
ホイップと泡が絡まり、**“ふわしゅわパフェ現象”**が発生!
→ 捕獲成功!
次にゼラスライム。すべって逃げる逃げる。
でも、冷却魔法で動きを止めて……
→ 冷やし固めてミントゼリー風に変化!
→ 捕獲成功!
最後に、ボス:プリンスライム。
「俺が行く! これまでのスライムグルメの経験、全部ぶつける!」
タックル!カラメルをよけろ!
→ スプーンで表面を削りながら回避!
→ マリーネがとどめの「焦がしスキル」でカラメルをキャラメリゼ!
→ 見事、プリンスライムを**究極の“ぷるとろカスタード”**に調理!
* * *
スイーツスライム三姉妹を捕獲&和解。
甘味フェスは無事再開され、村中に笑顔が戻った――
「ふふ……まさかあなたが、あんなに目を輝かせてプリン食べるなんて」
「……マリーネだって、ゼリー5個は食べてたろ」
「……甘いもの、嫌いじゃないのよ」
「っていうか、だいす――な、なんでもないわっ!」
(なんか……この人、意外と可愛いんじゃ……?)
◆ ◆ ◆
スライムと旅をするうちに、俺のスイーツ道もまた一歩前進した。
でもこの世界には、まだまだ未知のぷるぷるがある。