第三四話:パセリと誘惑の渦――エスカルゴスライムの夢見る夜会
■あらすじ:
「そのスライムは、香りで人を惑わせる。」
華やかな貴族たちが集う、王都ルヴァンのグルメ晩餐会。
そこで供される一皿は、選ばれし料理人のみが許される――
“スライム・ド・ラ・ノーブル(高貴なる軟体)”。
その食材こそが、今宵の主役。
貴族たちをも虜にする、香草の妖精――エスカルゴスライムだった。
■スライム紹介
《エスカルゴスライム》
・巻貝状の殻を背負い、深緑色のぷるぷるボディを持つ小型スライム。
・殻の中にはバター、ガーリック、香草、ブランデー風味などがとろけて混ざっている。
・殻を抜いた瞬間、鼻孔をふわりとくすぐる誘惑の香りを放つ。
・高貴な香りに“思考を一瞬止められる”香気マジック持ち。
・ときおり自分で自分にハーブをかけるなど、自己演出力が高い。
■舞台:ルヴァン夜会――幻想の貴族料理バトル
主人公とシャルルは、この晩餐会の審査に突如招かれる。
だがそこでは、料理ではなく――スライムと踊ることが求められた。
「エスカルゴスライムは、“口”で料理される前に、“踊り”で心を開く」
――ルヴァン貴族の言葉
つまり、彼らはバターの香りとともに、調理人に踊りを求めるのだ。
タイミング、火加減、香草の投げ方、そして――
“スライムとステップを踏むリズム”で、味は変わる。
■調理と試練
ガーリック香草ダンス調理法(正式名:パ・ド・フール・デ・スライム)
・スライムの螺旋に合わせてナイフを回し、バターとパセリを踊らせながら和える。
・香りが“舞い上がる”と同時に、味の層が形成される。
・途中で“ワインの雫”を口に含んで香りを倍加する――まさに舞台芸術調理!
シャルル「これはもう、料理というより演劇だ……!」
■完成料理:
『舞香のエスカルゴスライム ~渦巻くガーリックの夜~』
・まず香りで理性を奪われ、
・バターがとろけた瞬間、すべてが静止し――
・後味にブランデーの温もりが“記憶として残る”
食べた貴族は言う。
「これは恋……いや、罪だ……」
■エピローグ
晩餐会の終わり、主人公の手のひらで小さく震えるエスカルゴスライム。
それはまるで、“味わってくれてありがとう”と呟くようだった。
主人公「お前……いい香りすぎるんだよ……罪なスライムめ」




