第三二話:伝説の宴、今宵ふたたび――中華皇帝の食卓と高級食材スライムの饗宴 ――「財宝じゃない。これは――“味”だ」
■舞台:紫金楼・空中帝都に浮かぶ皇帝専用の食宮殿
天上世界に存在する、伝説の中華宮殿「紫金楼」。
そこでは、年に一度“五皇味会”と呼ばれる美食大会が開かれる。
招待されるのは、真の“舌を持つ者”のみ。
そこで供されるのは――高級食材が変異した、至高のスライムたち。
■登場する高級中華食材スライムたち
フカヒレスライム《翔魚之舞》
・背びれが美しく透き通ったゼリー状スライム。
・噛むたびに広がる極上の旨味、海の気品が香る。
・“皇帝スープ”に溶かすと、味が変化していく「三段階旨味変化型スライム」。
・動きが優雅で、常にゆらゆらと泳ぐように空中を漂う。
ツバメの巣スライム《雲翔》
・純白で、ほんのり甘い香りを放つデザート型スライム。
・喉を潤す美容効果があり、一定時間美肌バフが付与される(※作中設定)。
・高音域の音に反応して「ぷるぷる歌い出す」音感型スライム。
・皇帝が眠れぬ夜にだけ現れるという幻の存在。
熊の手スライム《皇掌》
・一見ただの厚切りプルプルだが、中には無数のコラーゲン核を含む。
・調理の火入れが難しく、下処理に10話分の修行が必要と言われる。
・正しく扱えばトロけるような食感、誤れば“暴走”し厨房を破壊。
・究極の高難度食材スライム。
スッポンスライム《玄鍋》
・甲羅を模した黒いスライム。煮込むほど栄養が増す“滋養進化型”。
・鍋奉行の呪文により、薬膳効果が最大限に発揮される。
・鍋の中で音を立てて跳ねるとき、極上の仕上がりになる証。
・まれにしゃべる。
龍の髭スライム《龍絲麺》
・細長くのびる麺状スライム。食材というより「生きた麺」そのもの。
・空中を縦横無尽に伸び縮みしながら、スープに飛び込んでいく。
・うまく調理すると、スープと麺の融合体“龍皇拉麺”が完成する。
・難易度SSS。暴れると厨房全体が麺で包まれる。
■対決・中華王国の試練!
主人公たちは、この5種のスライムをテーマに**「一皿」**を仕上げることになる。
制限時間は一時間、使えるのは火と魂のみ。
審査員は“舌で嘘を見破る”盲目の皇帝・炎皇玄麒。
そのなかで、スライムたちとの会話的調理が始まる――
(例:「お前の真の姿は……この火加減でしか引き出せない!」)
料理は戦い。戦いは調和。調和は――スライムと心を通わせること。
■完成料理:
『皇宴五味・昇龍中華極宴』
5種の高級スライムを、一皿に凝縮!
香り・口当たり・滋養・美のすべてが一つに融合した、文字通り“皇帝級”の逸品。
炎皇「……これは、ただの料理ではない……“詩”だ……!」
■エピローグ:スライムたち、星のごとく散りながら
宴の終わり。スライムたちは再び食材の里へ帰っていく。
主人公「またいつか、お前たちを越える料理を作るよ」
スライムたち:ぷるぷる(※うれしそうに調理道具へ溶け込む)




