第二十九話:湯気の向こうの戦場(スープ)!ラーメンスライム、極旨の一杯を求めて! ――「一杯で語れ、お前の人生(スープ)を!」
■舞台:スープシティ・“ヌードリウム”
そこはラーメンの聖地――あらゆるスープ、麺、トッピングを研究し尽くす“麺聖たち”が集う街。
年に一度開催される“天下一麺武会”を前に、謎のラーメンスライムが登場したことで町は騒然!
主催者曰く:
「今年の目玉は“進化系スープ生命体・ラーメンスライム”との共同一杯だ!」
■ラーメンスライムの特徴
・透明なスライムの中に、麺が泳いでいるという異様な見た目。
・スープ構成は常に変動、鶏ガラ、豚骨、味噌、塩、魚介などの“記憶”を蓄えて進化する。
・熱さとコク、旨味のバランスで感情表現を行う。怒ると濃厚背脂豚骨、喜ぶとあっさり鶏塩。
・何かを極めようとしているが、それが「ラーメン」なのか「自己表現」なのかは不明。
■出会い:スライム×屋台ラーメンの邂逅
主人公たちは、寂れた裏路地の屋台「ラーメン雷神」でラーメンスライムと出会う。
店主の雷十は言う:
「昔はコイツと一緒にラーメン作ってた……でも、オレが“化学調味料”に手を出してな」
スライムはスープの濁りを嫌い、姿を消していたのだった。
■調理(兼和解)フェーズ:ラーメン一杯、心一杯
主人公は雷十に代わって、ラーメンスライムとの再構築に挑む。
① スープ:鶏と魚介のWスープ+スライムの“記憶うま味”で旨味を立体化
② 麺:手もみの中太麺。スライムがとぐろを巻くことで自然な縮れ麺に
③ トッピング:スライムが体内でチャーシューを低温調理して生成(!)
④ 香り:刻み柚子とスライムの涙(←うま味結晶)を最後に一滴
◆ 完成メニュー ◆
『魂の共演・ラーメンスライム至高の一杯 ~心を煮込んだ和旨融合ラーメン~』
一口すすれば、香りが鼻を抜け、記憶が脳裏に蘇る。
二口目で、優しさと強さ、そしてスライムの“涙の旨味”が、喉の奥まで染み込む――
雷十「こんなスープ……オレじゃ無理だった。ありがとな、相棒」
スライム:ぷるぷるぷる……(※スープが澄んでいく)
■エピローグ:一杯の記憶
ラーメンスライムは再びどこかへと旅立っていく。
きっと、次の“究極の一杯”を求めて。
主人公「ラーメンって……スライムみたいだな。柔らかくて、あたたかくて、でも芯がある」
――湯気の向こうに、何かが見えた気がした。




