第十九話:禁断のプリン 〜滑らかなる死神スライム〜 ――その一口は、至福。そして終焉。
■舞台:黄泉のパティスリー《プリン・デスパレード》
そこに迷い込んだ者は、必ず言う。
「……あれは、もうスイーツじゃなかった」
「“祈り”だった。最後の晩餐だった……」と。
◆ ◆ ◆
現れたスライムは、
**《プリン=アル=デン・スライム》**
通称:死神プリン
・表面は滑らか、中身はとろとろ。だが温度と角度次第で毒化する危険な構造
・とろける瞬間、食べ手の“心の闇”を読み取り、トラウマ記憶をカラメル化
・適切な温度とスプーンさばきがないと、「記憶封印プリン」と化す
「プリンで人が泣くなんて……思わなかった……」
「この甘さ、ずっと忘れていた……母さんの……」
■登場キャラ:伝説のパティシエ=スライム調教師
**“師匠”フィオナ・フレームシュガー**登場!
かつてプリン=アル=デンに唯一勝利した女性
だがその代償に、“味覚”をすべて失ったと噂される……
フィオナ「君たち、まだ“プリン”をスイーツだと思ってるのね。
……なら見せてあげる。プリンは、“情念”よ。」
◆ 調理フェーズ:プリンを、超える! ◆
【チーム俺たちの挑戦】
・幻の“ミルクスライム”と“精神安定バニラビーンズ”でマイルド化
・苦味の象徴「煮詰めカラメル」使用 → トラウマ抑制
・最終工程:“逆さまに落とす”プリンショック調理法(PS法)
【シャルルの芸術解釈】
・トラウマを包みこむ“ミルクレター”構造
・スプーンでひとすくいするたび、違う記憶の断片が語られるプリン
・作品名:「追憶の十層プリン ~わたしがわたしであったころ~」
◆ 完成メニュー ◆
**《デス・プリンセス・パフェ・エタニティ》**
一口目で微笑み、
二口目で涙し、
三口目で「名前すら忘れる」禁断のスイーツ。
その記憶の代償に、あなたは何を差し出しますか?
観客「……ありがとう、プリン……。俺、今日でスイーツ引退するわ……」
観客2「いやもう無理、これ食べたら他のプリンがただの卵だ……」
だが最後に、スライムプリンが静かに呟いた。
「……また、明日。君の夢に会いにいくね」
――それは祝福か、呪いか。
すべてのスイーツを凌駕する、“愛されすぎた破滅の味”。




