第十三話「竜の胃袋!? フレイムドラゴンスライムと伝説のスープ」
俺たちは今、地図からも消えた禁断の地――《バルグ火山》の火口に立っていた。
マグマがゴウゴウと煮えたぎり、空気さえ舌を焼くような熱さだ。
「……ここ、絶対に人が来ちゃいけない場所だろ……」
「うん。でも、ここにしかいないの。伝説のスライムが」
◆ モンスター出現!【フレイムドラゴンスライム】
・かつてドラゴンが落とした“魔力の核”から生まれた灼熱スライム
・マグマの中で生きており、表面はスライム、内部は煮え立つスープ状
・ごくわずかに抽出できる「龍核エキス」は万能の旨味とされる
・捕獲・調理には火耐性装備と“龍語レシピ”が必要!
「つまり……ドラゴン鍋を、スライムで作るってことか」
◆ ◆ ◆
バルグ火山の奥、灼熱の湖の中に、それはいた。
赤黒い体に、ゴールドの筋。
ときおり内部から噴き上がる“スープ状の蒸気”が、香ばしい香りを漂わせる。
「この匂い……間違いなく、ただのモンスターじゃない。これは――“料理”だ……!」
◆ ◆ ◆
そこへ、いつものようにあの男が現れる。
「……待っていたよ。ついに来たか、“竜の味覚”」
シャルル・ド・グルメール。
今回ばかりは本気モード。彼の手には【竜骨スープ匙】が光る。
「伝説に挑むには、伝説の調理器具が必要なんだ。僕と君たち、どちらがこの火を制するか――」
◆ 調理フェーズ:伝説のスープ対決 ◆
チーム俺たち:マリーネ&火炎耐性魔法で制御調理
・ドラゴンスライムの内部スープを丁寧に抜き、特殊な冷却魔法で温度管理
・マグマスパイスと竜骨から煮出したエキスを融合
シャルル:龍語の調理詠唱を使い、直接“スライムの心臓”を歌いながら調理
・スープがまるで“鳴いている”ように香る。彼のスープは赤く、煌めいていた
◆ 完成品 ◆
**【龍の胃袋スープ・極】**
金色の油がゆらめき、口に入れた瞬間、体温が上昇――
滋養、爆発。味覚の限界を超える究極のスープ。
「これ……体が……生まれ変わる……ッ!!」
火山の熱さに勝る“熱い味”。
全員、言葉を失ってその一滴に魂を溶かす。
シャルルは、静かにスプーンを置くと、つぶやいた。
「竜とは破壊の象徴。そして、創造の起源……このスープは、まさに料理のはじまりだ」
――そして、火山の奥から、まだ見ぬ「もっと古いスライムの気配」が……?




