第96話 地下神殿の封印
ハーブ vs 黒槍のヴィルト
——ザッ……!
ハーブとヴィルトが対峙する。
「剣士と槍使い……距離の利は俺にある」
ヴィルトは槍を軽く回しながら、不敵な笑みを浮かべた。
「俺の“黒槍”は、ただの槍術じゃない……よく見ておけ」
——シュンッ!!
ヴィルトの槍が一瞬で空間を裂く。
——ズバァァンッ!!
ハーブがいた場所の地面が抉れ、深い傷跡が残る。
「……速いな」
ハーブは冷静に後方へ跳ぶ。
「だが、速さだけで勝てると思うな」
——シャッ!!
ハーブの剣が光を纏い、ヴィルトへと迫る。
「ほう……!」
ヴィルトは槍を振るい、防ごうとするが——
「遅い」
ハーブの剣はすでにヴィルトの懐へと踏み込んでいた。
「なっ……!?」
——ガキィィンッ!!!
刹那の交錯。
ヴィルトの槍がわずかに押し返される。
「この剣圧……!」
ヴィルトは初めて、冷や汗を流した。
「次で終わらせる」
ハーブが剣を構え直す。
「ほざけ……!」
ヴィルトも闘志を燃やす。
——戦いは、決着の時を迎えようとしていた。
⸻
◆玲華と雪奈、王城へ
その頃——
玲華と雪奈は王城へと駆け込んでいた。
「ここが……地下神殿への入口……」
王城の奥深く、古びた扉の前に二人は立っていた。
「……この扉の向こうに、何かが封印されているのですね」
雪奈は不安そうに呟く。
「ええ……黒鋼会の目的も、おそらく……」
玲華が扉に手をかける。
——ゴゴゴゴ……!!
扉がゆっくりと開かれた。
そして——
「よく来たな……」
暗闇の中から、低く響く声がした。
そこに立っていたのは……黒鋼会の“首領”だった。
⸻
◆次回予告
黒槍のヴィルトとの戦いが決着する時——!
そして、王城の地下神殿で待ち受ける黒鋼会の首領とは……!?
次回、第97話「黒鋼会の真実」
黒鋼会の目的が、ついに明らかになる——!!
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