第95話 王都の夜明け
王都を襲う衝撃
——ドオォォォォン!!!
巨大な爆発音が王都の中心部から響き渡った。
「……っ!? 何が起こったの!?」
雪奈が驚愕の表情を浮かべる。
「この規模の爆発……普通の襲撃じゃない」
玲華はすぐに状況を分析しようとするが、王都の方角から上がる 黒煙 を見て、顔を曇らせた。
「まさか、黒鋼会が……!」
ハーブは即座にカインの方を振り返る。
だが——
「……俺の役目は終わった」
カインはすでに後退し、姿を消そうとしていた。
「待て、カイン!」
ハーブが追おうとしたその瞬間——
——ゴゴゴゴ……!!
大地が揺れる。
「っ……!?」
「地震……?」
「違う……!」
玲華が叫ぶ。
「これは……何かが目覚めようとしている……!」
⸻
◆黒鋼会の目的
王都の中心部——王城の地下 から、異様な光が放たれた。
「まさか……王城の地下に、何かが……!?」
ハーブたちが駆けつけようとしたその時——
「貴様らは……ここで終わりだ」
低い声が響いた。
そこに現れたのは、黒鋼会の幹部 “黒槍のヴィルト” 。
「また幹部クラスか……」
玲華が剣を構える。
「この場を足止めするのが俺の役目だ。王都の中心部に行かせるわけにはいかん」
「……やらせない!」
ハーブがヴィルトと向かい合い、剣を抜く。
「玲華、雪奈! 王城へ急げ!」
「でも……!」
「ここは俺に任せろ!」
玲華は一瞬、迷うような表情を浮かべた。
だが——
「……わかった。行くわよ、雪奈!」
「はいっ!」
二人は王城へ向かって駆け出す。
ハーブはヴィルトを睨みつけた。
「さて……貴様がどれほどのものか、見せてもらおう」
ヴィルトは無言で槍を構えた。
——決戦の幕が上がる!!
⸻
◆次回予告
王都の中心部で起こる異変。
そして、王城の地下で目覚めようとしている “何か” 。
ハーブ vs 黒槍のヴィルト——!!
次回、第96話「地下神殿の封印」
黒鋼会の目的が、ついに明かされる——!!
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