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第93話 仮面の下の真実

死神との最終決戦


「ハーブさん……!」


雪奈の光が周囲を包み込み、王都騎士団の負傷者たちを癒していく。


「助かった……!」


「この力がなければ、俺たちは全滅していた……」


騎士たちが息を吹き返し、立ち上がる。しかし、戦局はまだ終わっていなかった。


「……フン、癒したところで無駄な足掻きだ」


バルムートは黒い瘴気を纏い、ハーブを見据える。


「俺を討とうなど……不可能だ」


だが、ハーブは静かに剣を構えた。


「ならば、証明してやる」


雷の魔力が剣に宿る。


「貴様を倒し、王都を守ると——!」


次の瞬間——


——バチィィィンッ!!!


ハーブの身体が雷光に包まれ、一瞬でバルムートとの間合いを詰めた。


「雷閃・迅雷!!」


——ズバァァァンッ!!!


高速の一閃がバルムートの胸を切り裂いた。


「ぐぉっ……!!」


バルムートが僅かに後退する。


「やるじゃねぇか……!」


しかし、彼はすぐに体勢を立て直し、大剣を振るった。


——ズガァァァン!!!


衝撃波がハーブを襲う。


「……ッ!」


ハーブは剣で防ごうとするが、衝撃の余波で吹き飛ばされる。


「ハーブさん!!」


雪奈が叫ぶ。


しかし、ハーブは空中で体勢を立て直し、地面に着地すると同時に駆け出した。


「……まだ終わりじゃない」


バルムートの目が鋭く光る。


「その意気だ……ならば、最強の一撃で迎えてやろう!!」


バルムートの体から瘴気が噴き出し、大剣に闇の魔力が集まっていく。


「——“黒神剣・終焉の一閃”!!」


バルムートの大剣が振り下ろされた瞬間——


——ゴォォォォォッ!!!


闇の波動がハーブを飲み込もうとする。


しかし——


「——“雷牙・双閃”!!!」


ハーブの剣が二閃の雷光を放つ。


——バチィィィンッ!!!


雷の刃が闇を切り裂き、バルムートの一撃を真正面から叩き割った。


「なっ……!?」


バルムートの目に驚愕が浮かぶ。


「——これで終わりだ」


ハーブの剣が、バルムートの胸を貫いた。


——ズバァァァンッ!!!


バルムートの身体が大きくのけぞる。


「ぐっ……は……」


彼の全身が崩れるように瘴気に包まれ、ゆっくりと後退する。


「……俺が……負ける、だと……?」


膝をついたバルムートは、ハーブを見上げた。


「貴様……何者だ……?」


ハーブは剣を収め、静かに答えた。


「ただの剣士だ」


バルムートは苦笑した。


「……クク、ハハハ……そうか……」


そして、彼の身体は闇の霧となり、消滅した。


——バルムート、討伐。


静寂が訪れる。


王都騎士団が一斉に息を呑んだ。


「勝った……のか?」


誰かが呟く。


次の瞬間——


「うおおおおおお!!!」


歓声が王都中に響き渡った。



戦いの終焉、そして——


王都は救われた。


負傷者たちは雪奈の癒しの力によって回復し、戦場は静けさを取り戻していく。


ライエル団長がハーブたちに歩み寄った。


「……お前たちには、感謝してもしきれない」


玲華が苦笑しながら剣を収める。


「まだ、ゆっくり休む時間はなさそうだけどね」


ハーブも、王都の空を見上げた。


「……ああ、そうだな」


この戦いの裏に、まだ何かが潜んでいる。


だが今は——


雪奈が静かに微笑んだ。


「……ハーブさん、お疲れ様です」


「お前もな、雪奈」


ハーブは彼女の頭を軽く撫でた。


その手の温もりに、雪奈の頬がわずかに赤く染まる。


玲華がジト目になりながら咳払いした。


「……さて、王都の片付けが残ってるわよ」


「はいはい……」


ハーブは苦笑しつつ、ゆっくりと歩き出した。


こうして、王都を揺るがせた戦いは幕を閉じた。


しかし——


新たな影が、密かに動き始めていた。



次回予告


王都を救ったハーブたち。


だが、その背後にはさらなる陰謀が渦巻いていた。


次回、第94話「新たなる訪問者」


動き出す新たな勢力——!!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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