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第77話 紫炎の誓い

追い詰められた戦場


「ははっ、どうした? もう終わりか?」


ゼスティアは血のように紅い瞳を輝かせながら、剣を軽く振るった。


ハーブの肩から滴る血が、夜の闇に落ちる。


玲華も息を荒くしながら、剣を握りしめていた。


雪奈が懸命に治癒魔法を展開するが、ゼスティアの猛攻を防ぐ余裕はない。


「クソッ……!」


ハーブが再び剣を構える。


——強い。圧倒的だ。


ゼスティアは黒鋼会の最強剣士。


その実力は、これまでのどんな敵とも次元が違った。


「……まだやれるか?」


ゼスティアがニヤリと笑い、足を一歩踏み出す。


その瞬間——


「はあああっ!!」


玲華が疾風のごとくゼスティアに迫った。


「お?」


鋭い突き。


だが——


キィィンッ!


ゼスティアは難なく受け止める。


「悪くないが、まだ遅い」


瞬時に剣を弾き、玲華の体を蹴り飛ばす。


「ぐっ……!!」


玲華は地面を転がりながら、悔しげに歯を食いしばる。


(強すぎる……!)


「もう少し楽しませてくれよ?」


ゼスティアは微笑を浮かべながら、玲華にゆっくりと歩み寄る。


「玲華、下がれ……!」


ハーブが叫ぶ。


だが——


玲華は剣を手放さなかった。


むしろ、目の奥に燃えるような光が宿る。


「……いいえ」


玲華は立ち上がり、剣を握り直した。


「私は……負けない」


その言葉とともに——


玲華の剣が紫色の炎を纏い始めた。


覚醒する剣士


「おっ?」


ゼスティアが興味深そうに目を細める。


玲華の体から、紫の焔が立ち昇るように揺らめいていた。


「これは……?」


ハーブも驚きの表情を浮かべる。


玲華の剣が燃えている。


だが、それはただの炎ではない。


玲華の気迫が具現化したもの——彼女自身の剣の意志が宿った炎だった。


「私は……もう恐れない」


玲華は静かに剣を構えた。


「私の剣は、仲間を守るためにある」


紫の炎がさらに大きく燃え上がる。


「ほう……面白い」


ゼスティアはニヤリと笑い、自らも剣を構えた。


「ならば——本気で相手をしてやろう」


次の瞬間——二人の剣が交錯した。


紫炎の誓い


ギィィィンッ!!


衝撃波が辺りに広がる。


玲華の剣は、ゼスティアの斬撃を完全に受け止めていた。


「ははっ、いいじゃないか!!」


ゼスティアが楽しげに笑う。


だが、玲華は静かに言った。


「私の剣は——もう迷わない」


その言葉とともに、紫炎がゼスティアを包み込む。


「なっ……!?」


ゼスティアが驚愕する。


玲華の剣は、確実に彼を捉えていた。


「……っ!」


ゼスティアは大きく後退し、距離を取る。


「……ハハッ、まさかここまでとはな」


ゼスティアは剣を下ろし、肩をすくめた。


「今夜はここまでにしてやる」


「待て!」


玲華が追いかけようとするが——


ゼスティアは闇の中へと姿を消した。


「また会おうぜ。“英雄”ども」


その言葉だけを残して——


静寂が訪れる。


玲華の紫炎が、夜の闇に消えていった。


次回予告


ゼスティアとの戦いを終えたハーブたち。


だが、戦いはまだ終わらない。


玲華の新たな力、“紫炎”の正体とは——?


そして、黒鋼会の次なる動きとは?


次回、第78話「紫の誓約」


新たな戦いが始まる——!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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