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第74話 決戦の刻

激突する剣


「——ハッ!」


ハーブの剣が唸りを上げ、ラミアスの双剣と激突する。


衝撃波が走り、廃工場の床がひび割れた。


「ほう……さっきよりいい剣だ」


ラミアスが低く笑う。


彼の蒼炎は依然として燃え盛り、剣を振るうたびに炎が軌跡を描く。


「だが、俺を止めるにはまだ足りない!」


蒼炎を纏った双剣が高速で振るわれる。


その動きに、ハーブはかろうじて応じる。


(こいつ……本当に強い!)


一撃一撃が重く、速い。


加えて、剣に宿る蒼炎が防いだ瞬間に爆ぜ、ダメージを与えてくる。


「お前の剣がどんなに優れていようと、“俺の炎”を防ぐことはできない」


「なら——試してみるか?」


ハーブの剣が鈍く光る。


それは玲華が見たことのある”気”だった。


(やっぱり……!)


玲華の目が鋭くなる。


「“闘気”……!」


ハーブの剣が、まるで獣のような荒々しい波動を放ち始める。


ラミアスが目を細めた。


「……おもしろい」


蒼炎と闘気


ハーブが踏み込み、闘気を纏った剣を振るう。


ラミアスも応じ、双剣が交差する。


ドンッ!!


激しい衝撃が走り、二人の間に風圧が発生する。


「……これは、ただの剣のぶつかり合いじゃないな」


ラミアスが口元を拭いながら笑う。


「お前の”闘気”と、俺の”蒼炎”——どちらが上か、決める時だ」


ハーブは静かに頷いた。


「そのつもりだ」


互いの剣が構えられ——


次の瞬間、二人は消えるように動いた。


最終局面


玲華と雪奈は、ただ見守るしかなかった。


光と炎が交錯し、轟音が鳴り響く。


「ハーブ……!」


雪奈が祈るように呟く。


玲華もまた、拳を握りしめる。


(負けるな……!)


そして——


一閃の後、二つの影が静止した。


ハーブの剣が、ラミアスの双剣を押さえつけている。


「……っ!」


ラミアスの剣から、蒼炎がゆっくりと消えていった。


「どうやら——俺の負けのようだな」


ラミアスが苦笑する。


ハーブは剣を下ろし、ゆっくりと息を整えた。


次回予告


ラミアスとの決着。


しかし、その背後では新たな敵が動き出していた——。


次回、第75話「暗躍する影」


新たな脅威が、迫る——!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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