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第56話 狭間の試練


試練の果てに


異世界の狭間で繰り広げられるそれぞれの試練——。


ハーブはかつての友・レオと、玲華は師と、雪奈は己の力と向き合っていた。


ハーブの試練——決着の剣


「はああっ!!」


ハーブとレオの剣が、激しくぶつかり合う。


火花が散り、空間が震える。


レオの剣技は研ぎ澄まされ、迷いがない。


それに対し、ハーブの剣には僅かに迷いがあった。


(俺は……今でも、正義を信じているのか?)


その問いが脳裏をよぎる。


「どうした、ハーブ! そんな迷いの剣で、俺を超えられると思うのか!」


レオの一撃が、ハーブの剣を弾き飛ばす。


「ぐっ……!」


膝をつき、肩で息をするハーブ。


レオは静かに剣を下ろし、言った。


「お前の剣には、迷いがある」


「……」


「だが、それでいい」


「……え?」


レオは微笑んだ。


「お前は、ただ剣を振るうだけの存在じゃない。お前の迷いは、人を守ろうとする優しさから生まれるものだ」


「……」


ハーブは息を整えながら、剣を握り直す。


「俺は……まだ答えを出せていない。でも、それでも進むしかないんだ」


レオは満足げに頷いた。


「ならば、その道を貫け。お前の剣は、お前だけのものなんだからな」


次の瞬間、レオの姿が消え、光がハーブを包み込んだ——。


玲華の試練——剣の意味


玲華の剣が、師の木刀とぶつかり合う。


「まだ浅い! その剣では、何も守れんぞ!」


師の鋭い打ち込みに、玲華は後退する。


「くっ……!」


「お前は強くなろうと焦っている……だが、強さとは何のためにある?」


玲華は歯を食いしばる。


「そんなの……決まってる……!」


玲華の脳裏に、ハーブや雪奈、仲間たちの顔が浮かぶ。


(私は……この力で、みんなを守る!)


玲華の剣が静かに輝き始める。


「ほう……?」


師がわずかに目を細める。


「私は……私は、力を求める。でも、それはただの強さじゃない……私が信じる人たちを、守れる力!」


玲華が剣を振るうと、圧倒的な気迫が道場を満たした。


「——よかろう」


師は微笑みながら、一歩下がった。


「お前の答え、確かに受け取った」


玲華の視界が光に包まれる。


雪奈の試練——光の選択


「雪奈、あなたの選ぶ道を見せて」


母の声が響く。


雪奈は手の中の光の杖を見つめる。


(私は……私の力で、何ができるの?)


過去の自分は、ただ守られる存在だった。


けれど——


(私は、もう逃げない)


雪奈は杖を天に掲げる。


「私は、この力でみんなを守る!」


次の瞬間——杖が眩い光を放ち、周囲を優しく包み込む。


「……雪奈」


母の姿が、微笑みながら消えていく。


「あなたなら、きっとできるわ」


光が雪奈の体を包み込み——


試練の終わり


ハーブ、玲華、雪奈——


それぞれが己の試練を乗り越え、再び元の場所に戻ってきた。


黒と白が交錯する空間の中央に、ローブの男が静かに立っていた。


「……お前たちは、試練を乗り越えた」


ハーブは剣を収め、玲華と雪奈と共に前へ進む。


「これで終わりか?」


ローブの男は静かに頷く。


「お前たちは己の答えを見つけた……ならば、進むがいい」


次の瞬間、空間が激しく揺れ——


ハーブたちは、元の世界へと帰還した。


だが、その胸には、それぞれが得た新たな決意が宿っていた——。


次回予告


試練を乗り越えたハーブたち。


しかし、新たな敵の影がすでに迫っていた——。


次回、第57話「紅き異端者」


新たなる脅威が、彼らの前に立ちはだかる!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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