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第54話 光と闇の狭間

剣技の極限、再び


ガキィィン!!


ハーブとエゼキエルの剣が激しくぶつかり合う。


その衝撃で地面が裂け、塔の内部に鋭い風が吹き荒れた。


玲華が目を見開く。


「す、すごい……! ハーブとエゼキエルの剣がぶつかるたびに空間が歪んでる……!」


ミラが冷静に分析する。


「エゼキエルは“空間を斬る”技……ハーブはそれを無効化する剣気……」


雪奈はハーブの背中をじっと見つめながら、小さく呟く。


「ハーブさん……」


ハーブの剣が光を帯びる。


(……感じる……エゼキエルの剣はただの速さじゃない……)


(空間の“隙間”を斬り裂いて、次元を超える一撃を放っている……!)


ハーブは息を整えた。


「ならば、それを超える——!」


エゼキエルが微笑む。


「……見せてみろ」


剣聖の覚醒


ハーブの体から、眩い蒼の光が放たれる。


玲華が驚く。


「な、何……!? ハーブの剣から光が……!」


ミラが息を呑む。


「……これは……剣気を“光”の波長に変えている……!?」


エゼキエルがニヤリと笑う。


「なるほど、お前は“光の剣”を得たか」


ハーブは剣をゆっくりと構えた。


「……これが、俺の剣だ」


——“閃光剣・神速”!!


次の瞬間、ハーブの姿が消えた。


玲華が叫ぶ。


「えっ!? ハーブが……!?」


エゼキエルの目が鋭くなる。


「面白い……!」


ハーブが空間を裂き、一瞬でエゼキエルの背後に回る。


エゼキエルが剣を振るが——


シュンッ!!


その斬撃を、ハーブは光の軌跡とともにすり抜けた。


「何……!?」


ミラが驚く。


「……エゼキエルの“空間斬り”をすり抜けた……!?」


玲華が叫ぶ。


「どういうこと!?」


ミラは理解した。


「ハーブは“光”の性質を剣気に取り込んでる……!」


「つまり……?」


「光は物理的な干渉を受けない……エゼキエルの空間斬撃すら、すり抜けることができるのよ……!」


ハーブが一気に間合いを詰める。


「これで終わりだ!!」


——閃光剣・零閃!!


光が一閃し——


エゼキエルの剣が弾き飛ばされた。


「……っ!」


エゼキエルが膝をつく。


玲華が目を見開く。


「勝った……!?」


雪奈がホッと息を吐く。


「ハーブさん……」


しかし——


エゼキエルは口元を拭い、ゆっくりと立ち上がった。


「……なるほど。お前の力、確かに見せてもらった」


ハーブは剣を構えながら睨む。


「まだやるつもりか?」


エゼキエルは静かに首を振った。


「いや、今回はここまでだ」


「……?」


エゼキエルはふっと微笑む。


「この戦い……本当の意味で決着をつける時が来るだろう。その時まで、お前がどこまで強くなるか……楽しみにしているぞ」


次の瞬間——


エゼキエルの姿が闇に包まれ、消えた。


玲華が驚く。


「……消えた!?」


ミラが静かに言う。


「……まだ戦うつもりなのね」


ハーブは剣を収め、深く息を吐いた。


「……決着は、まだ先か」


雪奈が微笑む。


「お疲れ様です、ハーブさん」


ハーブは雪奈を見て、少しだけ微笑んだ。


玲華が不満そうに呟く。


「まったく、強敵ばっかりね……」


ミラは苦笑する。


「でも……これで、また前に進める」


ハーブは剣を握りしめた。


(……エゼキエル、お前が言った“真の決着”とは……?)


この戦いは、まだ終わりではない。


しかし——


確実に、次なる戦いへと歩みを進める時が来ていた。


次回予告


激戦の果て、エゼキエルは姿を消した。


だが、その言葉が示すものとは何か——?


新たな試練が、ハーブたちを待ち受ける。


次回、第55話「静寂の前兆」


新たなる脅威が、影から忍び寄る——!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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