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第52話 崩れゆく境界

突如現れた異変


白陽高校の昼休み。


日常に戻ったかのような穏やかな時間が流れる中——


玲華がふと空を見上げて、眉をひそめた。


「……なんか、空の色が変じゃない?」


ミラも同じように空を見て、険しい顔になる。


「確かに……なんだか、薄暗くなってるわね」


普段よりも少しだけ不気味な雲が広がっている。


雪奈が不安そうにハーブの袖を引いた。


「ハーブさん……これって……」


ハーブは視線を上げ、周囲の気配を探る。


「……嫌な予感がする」


その時——


——カァァァァン!!


校舎の窓ガラスが突如として割れた。


バリィィン!!


生徒たちの悲鳴が校内に響き渡る。


「きゃああああっ!!」


「な、なんだ!? 地震か!?」


玲華が身構える。


「やっぱり……ただの異常気象じゃない!」


ミラがすぐに魔力を込める。


「敵が来る……!」


ハーブは剣を抜き、構えた。


「……準備しろ」


その言葉と同時に——


——ズゥゥゥゥン!!


黒い渦が校庭の中心に出現した。


そこから、異様な気配を放つ人影がゆっくりと姿を現す。


漆黒の外套を纏い、赤い瞳を持つ男。


その姿に、玲華が目を見開いた。


「……まさか……!」


ミラが苦々しく呟く。


「黒鋼会の連中か、それとも……?」


男はゆっくりと顔を上げ、不気味に微笑んだ。


「……久しいな、剣聖」


ハーブは眉をひそめる。


「……誰だ?」


男は静かに名乗った。


「——“エゼキエル”だ」


玲華が驚愕の声を上げる。


「エゼキエル……って、あの!?」


ミラが拳を握りしめる。


「知ってるの、玲華?」


玲華は険しい顔で答えた。


「……黒鋼会の幹部の一人よ。裏世界で“漆黒の使者”と呼ばれてる……!」


雪奈が小さく震えた声で尋ねる。


「……とても、危険な人ですか?」


玲華は歯を食いしばる。


「そうよ。こいつは——殺した相手の技を奪う、最悪の暗殺者」


エゼキエルはくすりと笑った。


「よく知っているな。だが、それはほんの一部に過ぎない」


彼はハーブを見つめる。


「お前の力を試すために来た」


ハーブは剣を構え、静かに息を整える。


「……なら、かかってこい」


エゼキエルは薄く笑うと、次の瞬間——


——シュン!!


一瞬でハーブの懐に入り込んだ。


ガキィィィン!!


「っ!?」


ハーブは反射的に剣を振るい、防ぐ。


しかし、エゼキエルの動きは予想を遥かに超えていた。


「遅いな」


——ザシュッ!!


ハーブの左肩に浅い傷が刻まれる。


玲華が叫ぶ。


「ハーブ!!」


ミラが焦る。


「嘘でしょ……!? あのハーブが、一瞬で斬られた……!?」


雪奈は必死に祈るように手を握りしめる。


「ハーブさん……!」


エゼキエルは冷たく微笑んだ。


「剣聖とは聞いていたが……まだ目覚めきってはいないようだな」


ハーブは肩の傷を気にすることなく、じっとエゼキエルを見据える。


「……確かに、お前は強い」


剣を握りしめ、再び構える。


「だが——俺は、ここで負けるわけにはいかない!」


エゼキエルが薄く笑い、ゆっくりと剣を持ち上げた。


「ならば、もう一度試そう。貴様が、どこまで行けるのかを——」


そして——


新たなる死闘の幕が、今、上がる。


次回予告


エゼキエルとの戦いが始まる。


彼の圧倒的な剣技の前に、ハーブは防戦を強いられる。


だが、追い詰められた時——彼の内なる力が、再び覚醒する。


次回、第53話「剣閃の極地」


新たなる剣の境地が、開かれる——!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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