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第36話 雪奈の覚醒

激突!ハーブ vs. 謎の刺客


「ハーブ、死ねッ!」


黒装束の男が、黒雷をまとった剣を振り下ろす。


ハーブは瞬時にそれを受け止めるが——


「ぐっ……!」


剣同士がぶつかると同時に、強烈な衝撃が腕に伝わった。


「ハーブ!」


玲華とミラがすぐに駆け寄ろうとするが、刺客は素早く片手を掲げる。


「邪魔だ」


次の瞬間、黒い衝撃波が放たれた。


「くっ……!」


玲華とミラは間一髪で回避するも、その威力に驚きを隠せない。


「ただの刺客じゃない……!」


ミラが鋭い視線を向ける。


(……こいつ、ハーブのことを知っている?)


玲華もまた、男の異様な殺気に身を震わせた。


雪奈の決意


一方、雪奈はその場に立ち尽くしていた。


(……私は、何もできない)


玲華もミラも戦える。ハーブはもちろん強い。


けれど、自分は——


「ハーブさん……」


震える声で、雪奈は呟いた。


自分がこのまま何もせずにいたら、ハーブが傷つく。


それは……絶対に嫌だった。


目覚める力


その時——


——ドクン。


雪奈の心臓が、一際強く脈打った。


視界が揺れる。


次の瞬間、目の前の光景が変わった。


ハーブの動き。敵の一挙手一投足。


まるで「未来を見ている」かのように、数秒先の展開が脳内に浮かんだ。


(これは……?)


雪奈の身体が自然と動いた。


「玲華さん、ミラさん! 左に避けてください!」


「えっ?」


玲華が驚くが、その直後——


ドゴォォォンッ!!


先ほどまで二人がいた場所が、黒雷によって吹き飛ばされた。


「なっ……!?」


玲華とミラは目を見開いた。


「雪奈……? 今、何を……」


ミラが戸惑うように雪奈を見つめる。


だが、雪奈自身も驚いていた。


(……私、未来を見た?)


理解するよりも先に、また未来の映像が見える。


(ハーブさんが……攻撃を受ける!)


「ハーブさん、右に回避を!」


雪奈の叫びと同時に、ハーブは反射的に身を翻した。


その瞬間——


「っ!?」


ハーブのいた場所を、刺客の剣が通過した。


「……今の、読まれた?」


刺客の目が鋭く光る。


ハーブ自身も驚きを隠せない。


「雪奈……今のは……?」


「……わかりません。でも……見えるんです。少し先の未来が」


雪奈の瞳は、淡い光を宿していた。


(これが……私の力?)


雪奈の覚醒、そして反撃へ


「なるほど……厄介な力だな」


刺客が警戒の色を滲ませる。


だが、雪奈は怯まない。


(今なら……ハーブさんを支えられる)


震えながらも、雪奈は勇気を振り絞った。


「ハーブさん……お願いします。私の言葉を信じて」


ハーブは静かに頷く。


「……ああ、頼む」


次の瞬間——


ハーブが動く。


雪奈の指示のもと、彼の攻撃が刺客を追い詰めていく。


「くっ……!」


ついに、刺客は大きく後退した。


「ふふ……面白い」


不気味な笑みを浮かべる刺客。


「今日はこのくらいにしておこう。また会おう、ハーブ……そして、未来を視る少女よ」


そう言い残し、彼は闇に消えた。


戦いの終わりと、新たな絆


「……はぁ、終わった……」


玲華が息をつく。


「雪奈……本当に未来が見えたの?」


ミラが尋ねると、雪奈は静かに頷いた。


「……まだ完全にはわかりません。でも、確かに見えました」


「それって……すごいことじゃない!」


玲華が笑顔で雪奈の肩を叩く。


「これからは、私たちと一緒に戦えるわね!」


「……はい!」


雪奈は力強く頷いた。


ハーブはそんな彼女を見つめ——微笑んだ。


「ありがとう、雪奈。助かったよ」


その言葉に、雪奈の頬が赤く染まる。


(ハーブさんに……認めてもらえた)


胸の奥が、温かくなるのを感じながら——


雪奈は、新たな一歩を踏み出した。


次回予告


未来視の力を覚醒させた雪奈。


だが、彼女の力を狙う者たちが、すでに動き出していた。


新たな試練が迫る中、ハーブたちはどう立ち向かうのか——?


次回、第37話「闇の狙撃手」


新たなる刺客が、影から狙う——!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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