表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/124

第118話 世界の果て

戦いの代償


王都の上空には、かつてない静寂が広がっていた。


エクリプスの”闇”は完全に消え去り、空には澄み切った光が戻っている。


だが——


「……これは……?」


ハーブが剣を握りながら周囲を見回した。


王都の建物は無傷のままだが、“何か”が変わっている。


まるで”世界の軸”が、微妙にずれたような——そんな感覚。


「ハーブ……これは、一体……?」


玲華が、微かに息をのむ。


「“理”が変わり始めている」


ハーブが静かに言った。


雪奈が不安そうに空を見上げる。


「“理”が……?」


クロウが剣を肩に担ぎながら眉をひそめる。


「まさか、“エクリプスを倒したこと”が影響してるのか?」


「……ああ」


ハーブは頷いた。


「エクリプスは、“世界の影”そのものだった」


「影がなくなれば……当然、“世界の均衡”も崩れる」


玲華の瞳が揺れる。


「それってつまり……“世界が変わる”ってこと?」


「……まだわからない」


ハーブが答えた。


「だが、一つ確かなのは——」


彼は、剣を見つめる。


「“俺たちの知る世界”は、もう元には戻らないということだ」



◆ “変化”の兆し


「ハーブさん!」


雪奈が指をさした。


「空が……!」


その瞬間——


——ゴゴゴゴゴ……!!!


空に、“歪み”が生じ始める。


「……!?」


クロウが剣を構える。


「なんだ、この感じは……!」


玲華も驚愕の表情を浮かべる。


「空が……“割れ”ていく……?」


——ピシッ……ピシッ……!!!


まるで”鏡”が砕けるように、空がひび割れ始めていた。


「これは……“異世界の裂け目”……?」


ハーブが目を細める。


その瞬間——


——ズォォォォォンッ!!!!


空の裂け目から、“何か”が降り立った。


それは、人間とは思えない異形の存在だった。



◆ “異世界”からの訪問者


「な、何だ……!? あの化け物は……!」


クロウが驚愕する。


降り立ったのは——


漆黒の甲冑をまとい、全身から”異質な瘴気”を放つ”騎士”だった。


「……“外の世界”の者か?」


ハーブが剣を握る。


漆黒の騎士は、ゆっくりとこちらを見た。


——ギギ……ギギギ……


まるで機械のような不気味な音を立て、騎士は口を開く。


「……世界の”均衡”が崩れた。……我らは、それを正すために来た」


玲華が息をのむ。


「“均衡”を正す……?」


ハーブが鋭い目を向ける。


「お前たちは何者だ」


漆黒の騎士は答えた。


「我らは……“虚無の守護者”」


その名を聞いた瞬間——


ハーブの心に、“何か”が引っかかる。


「……“虚無”……?」


「ハーブ、知ってるのか?」


クロウが尋ねる。


ハーブは静かに目を閉じる。


「……いや。だが……“何か”を思い出しそうだ」


漆黒の騎士は淡々と告げる。


「お前たちは、“禁忌”を犯した」


「……何?」


玲華が剣を構える。


「“禁忌”って……どういうこと?」


「“神を討つ”とは、世界の理を歪めること……」


騎士は冷たく告げた。


「“この世界は、もはや存在してはならぬ”」


その言葉に——


ハーブたちは戦慄する。



◆ 次回予告


エクリプスを倒したことで、“世界の均衡”が崩れ始めた。


そして現れた、新たなる存在——“虚無の守護者”。


彼らの目的は、“世界そのものを消滅させる”ことだった——。


次回、第119話「消滅する世界」


新たなる戦いが、始まる——!!

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ