第115話 闇の真実
崩れゆく神
「ククク……終わり? 本当にそう思うか?」
エクリプスの身体が崩れ落ちる中、その声は不気味に響いた。
玲華が剣を構え、警戒を強める。
「……まだ何かあるの?」
クロウも険しい表情を浮かべる。
「これは……嫌な予感がするな」
ハーブは静かにエクリプスを見つめた。
そして——
——ズズズズズ……!!!
突如、エクリプスの身体から黒い光が溢れ出した。
「……ッ!」
その場にいる全員が後ずさる。
「これは……!!」
雪奈が息をのむ。
「くくく……そうだ……私はまだ終わっていない……!」
エクリプスの身体が徐々に変化し、黒い霧のようなものが広がっていく。
その中心には、一つの”核”が浮かび上がっていた。
「これが……“真の姿”だ」
それは、まるで空間そのものを飲み込む”闇”。
エクリプスは肉体を捨て、概念そのものになりつつあった。
⸻
◆闇の神の正体
「……どういうことだ?」
玲華が眉をひそめる。
クロウが低く呟く。
「これは……“神”という存在の真実だ」
「神の……真実?」
「そうだ。元々、神とは”概念”そのものなんだ。姿形はただの”器”……だが、本質は”世界を司る力”そのもの。つまり——」
クロウが拳を握る。
「エクリプスは、今”完全な神”へと変貌したってことだ」
「……!!」
玲華と雪奈の表情が強張る。
「つまり、どうすれば倒せるの……!?」
玲華が焦りを滲ませる。
クロウは黙り込んだ。
その時——
「関係ない」
ハーブが静かに前へ踏み出す。
「……“神”だろうがなんだろうが、斬るだけだ」
玲華がハッとハーブを見つめた。
雪奈も、不安そうにしながらも彼の背中を見つめる。
エクリプスの笑い声が響く。
「ククク……愚か者め……この”闇”が理解できないのか?」
「理解する必要はない」
ハーブは剣を構えた。
「俺の剣は、“理”すら斬る」
エクリプスが沈黙した。
そして——
「ククク……面白い」
漆黒の波動が爆発する。
「ならば、証明してみろ!! “神殺し”の力を!!!」
——最終決戦が、今始まる!!
⸻
◆次回予告
エクリプスは”概念”そのものへと変貌した。
その力は、次元すらも飲み込む”絶対の闇”。
しかし、ハーブは迷わない。
“理すら斬る剣”で、神を討つ——!!
次回、第116話「神殺しの剣」
運命を決める、最後の一撃が放たれる——!!
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