第110話 神殺しの剣
神を討つ者
「“影の騎士”……クロウだと?」
エクリプスが鋭い瞳で男を睨む。
黒き外套を纏い、鋭い双眸を持つ剣士——クロウ。
彼は静かに剣を構え、淡々と口を開いた。
「千年前、お前を封じた者の一族……それが俺だ」
「……ほう?」
エクリプスの瞳が僅かに細められる。
「なるほど……貴様、“神殺しの血”を継ぐ者か」
玲華と雪奈は息をのむ。
「神殺し……?」
ハーブもまた、警戒しつつクロウを見据えた。
「……つまり、こいつが俺たちの味方か?」
「味方かどうかは知らん」
クロウは淡々と言う。
「だが、俺には”宿命”がある」
「この滅びの神——エクリプスを討つこと」
——ギィィィィンッ!!!
次の瞬間、クロウの剣が黒い光を纏う。
「“神威剣”——
“断罪”!」
——ズバァァァァンッ!!
黒き光が弧を描き、エクリプスへと襲いかかる。
「フッ……」
エクリプスはその一撃を手で受け止める。
——ゴゴゴゴゴ……!!!
衝撃が辺りを吹き飛ばし、地面が抉れた。
しかし——
「その程度か?」
エクリプスは傷一つ負っていなかった。
「……チッ」
クロウは舌打ちし、即座に後退する。
「今のは探りか? つまらんな」
エクリプスが嘲笑する。
「“神殺し”を名乗るなら……もう少し楽しませてくれ」
「……黙れ」
クロウの剣に、さらに黒き光が宿る。
「俺の剣は……“ここから”だ」
⸻
◆戦いの幕開け
「ハーブ……!」
玲華が焦りの声を上げる。
「このままでは、二人の戦いに巻き込まれる!」
「……だが、ここで動けば邪魔になる」
ハーブは冷静に戦況を分析する。
(今はクロウの戦いを見極めるべきだ……)
だが、その時——
「ククク……」
エクリプスが不気味に笑った。
「貴様ら……“見ているだけ”のつもりか?」
「……何?」
「“神殺し”だけでは、私を封じることなどできん」
エクリプスは手をかざし——
——ズンッ!!!
黒き光が王都全体を包み込む。
「これは……!?」
玲華と雪奈の身体が重くなる。
「これは……“神の領域”!」
クロウが歯を食いしばる。
「“外”に逃げることは許されんぞ」
エクリプスは嘲笑する。
「さあ、貴様らも”抗う”がいい」
「……くそっ!」
ハーブは剣を強く握りしめた。
(やるしかない……!)
「玲華、雪奈! 戦うぞ!」
「ええ!」
「……はい!」
そして——
“神殺し”と”滅びの神”の戦いに、ハーブたちも参戦する。
⸻
◆次回予告
神の領域に閉じ込められたハーブたち。
エクリプスを討つため、クロウと共闘するが……?
新たなる”力”が目覚める時——運命が動き出す。
次回、第111話「覚醒の光」
神殺しの剣が、今、閃く——!!
読んでくださりありがとうございます!
更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!
感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!