第106話 最後の闇、王の決断
極光の刃 VS 闇の支配者
「……なに?」
ディザストルの瞳が、淡く揺らいだ。
光がすべてを覆い尽くす。
「神威・極光天破」
——ズバァァァァァッッッ!!!
光が奔流となり、ディザストルを飲み込む。
ゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!!!
大気が揺れ、闇が浄化されていく。
玲華と雪奈は、光の中心にいるハーブを見つめた。
「……すごい……」
雪奈が息をのむ。
玲華も手に汗を握りながら、ハーブの背中を見つめていた。
(この一撃で……決まる……!)
——しかし、その刹那。
「……フフ……」
ハーブは確かに聞いた。
——ディザストルの笑い声を。
「……まだ、足りぬ」
光が徐々に収まると、そこには——
無傷のディザストルの姿があった。
「っ……!」
玲華が息をのむ。
「どういうこと……?」
雪奈も驚愕の表情を浮かべる。
ハーブは歯を食いしばる。
「……さすがに、しぶといな」
ディザストルはゆっくりと腕を上げると——
「貴様の力、見事だった……だが、“決定打”には至らん」
——ドォォンッ!!
漆黒の魔力が、一気に爆発した。
⸻
◆決着の刻
「この戦い……終わらせるぞ」
ディザストルの魔力が、さらなる高みへと昇華する。
「“闇王の権能”……発動」
漆黒の波動が世界を包み込み、全ての光を奪い取る。
「この領域において、光は存在できぬ」
玲華と雪奈の体が重くなる。
「身体が……動かない……?」
玲華が歯を食いしばる。
「魔力が……消えていく……」
雪奈も膝をつく。
“絶対的な闇”が、すべてを覆っていく。
だが——
「……確かに強い」
ハーブの声が響く。
「でもな……」
剣を構えるハーブの瞳は、なおも輝きを失っていない。
「俺の”光”は、消えない」
ディザストルが目を細める。
「……何?」
「お前の闇がどれだけ強かろうと……」
ハーブの剣が、静かに光を帯びていく。
「俺がそれを超えれば、それで終わりだ」
玲華と雪奈が目を見開く。
(この状況で……なお戦う気なの!?)
(すごい……これが、ハーブさん……!)
ディザストルが静かに笑った。
「ならば……証明してみせよ、剣の王よ」
ハーブは剣を握り締める。
「……いくぞ」
そして——
次の瞬間、ハーブの身体が閃光となってディザストルへと突撃した。
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◆次回予告
闇を貫く、最終の一閃。
勝者は誰なのか——?
次回、第107話「終焉を告げる剣」
決着の時が訪れる——!!
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