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第10話 黒鋼会の暗躍

玲華と手を組むことになったハーブだが、黒鋼会が静かに動き出していることを知らなかった。


翌日の学園——。


授業が終わり、ハーブは廊下を歩いていた。


「ハーブさん!」


雪奈が小走りに近づいてくる。


「どうした?」


「その……最近、何か変なことはありませんでしたか?」


雪奈の表情はどこか不安そうだった。


「変なこと?」


「えっと……最近、妙な視線を感じるんです。私だけじゃなくて、玲華さんも……」


(なるほど、監視されているということか)


ハーブは心の中で考えながら、雪奈に穏やかに言った。


「気をつけるに越したことはないな。何かあったらすぐに知らせてくれ」


雪奈は小さく頷いたが、不安は拭えないようだった。



その夜——。


玲華からの連絡で、ハーブは学校の裏にある公園へ向かっていた。


「来たわね」


ベンチに腰かけていた玲華が、こちらを見上げる。


「こんな時間に呼び出して、何の用だ?」


玲華は腕を組み、真剣な表情で言った。


「黒鋼会が動き出しているわ」


「……確証はあるのか?」


「あるわ。私の周りに不審な連中が増えている。それに——」


玲華はポケットから小さな封筒を取り出し、ハーブに差し出した。


「今日、私の下駄箱に入っていたの。開けてみて」


ハーブは封筒を受け取り、中を確認する。


そこには短いメモが入っていた。


『余計なことに首を突っ込むな——黒鋼会』


(随分とストレートな警告だな)


「どうする?」


玲華の目がハーブを試すように見ていた。


「どうするも何も、こんなものに怯むつもりはない」


ハーブは封筒を折り畳み、ポケットに突っ込んだ。


「むしろ、向こうが本格的に動き出すなら、こっちも準備しないとな」


玲華は満足そうに微笑んだ。


「そのつもりで、もう手を打ってあるわ」


「……何をした?」


玲華は軽く顎をしゃくり、暗がりの奥に視線を向ける。


そこには、スーツ姿の男が立っていた。


「彼は私の父の部下。情報収集のプロよ。黒鋼会の動きを探らせているわ」


「なるほど……頼もしいな」


「ええ。でも、それだけじゃない」


玲華の目が鋭くなる。


「私たちも、そろそろ動くべきよ」


ハーブは静かに頷いた。


黒鋼会との対決は、すぐそこまで迫っていた。


次回、第11話「黒鋼会の襲撃」


玲華の策が動き出す。しかし、黒鋼会はすでに先手を打っていた——。

読んでくださりありがとうございます!


更新頻度ですがなるべく毎日11時頃と22時頃の2話投稿を目指します!


感想など書いていただくと今後の励みになるのでどんどんコメントしてください!

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