レッドドラゴンのリレットの住処に行く途中で精霊樹の森へ寄る。
この作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
昨日はイリヤがやり過ぎてしまい、リンカとレンカもそれに増長してしまいギルドマスターのオウエンに雷を落とされたが、報酬100万ルディを貰って宿屋に帰った。
「はい、いらっしゃいませ、あっ、リンカさん、レンカさん、イリヤさんお疲れさまでした。スタンピートを無事に乗り切られて良かったです。一時はどうなる事か不安でした」
「うん、まぁ、そうだけどね」
リンカはギルマスに雷を落とされて精神的に気疲れをしていた。
「あぁ、お部屋に戻ってお休みなさった方が良いですね」
「そうさせて貰うわ」
リンカとレンカも気疲れして部屋に戻るとイリヤも同調して後を付いて行く。
イリヤはレッドドラゴンのリレットを従魔にしたけど近くに居られないのは楽しくないなと思い、今度は小さくて可愛い従魔が良いなと思い悩む。
「イリヤまた何かロクでもないこと考えてないでしょうね、疲れている感じじゃないみたいだけど」
「まさかと思うけど、今度は手元における小さくて可愛い従魔が欲しいとか考えてないでしょうね」
リンカとレンカがイリヤを見て何を考え込んでいるのか問い質す。
「えっ、アハハ、そんな事は無いですよ」
イリヤは図星を突かれて変な笑いをする。
「「怪しい」」
リンカとレンカは同時にイリヤの反応を見て同時に言う。
「まぁ、私達もボソワンド王国のダンジョンのある街に定住して家を借りられたらモフモフできる毛並みの良い可愛いペットは飼いたいかなとは思っているけどね」
「そうそう、モフモフはいいわよね癒されるわ、例えば猫なんか可愛いわよね」
リンカとレンカはダンジョンの街に定住してモフモフできるペットを飼いたい事をイリヤに話す。
「猫ですか、見た事は無いですけどね、可愛いですか、確かにモフモフは良さそうですね」
イリヤはモフモフと聞いて頭の中で妄想する。
「言っておくけどイリヤ今はダメよ旅している間は飼えないからね」
リンカはイリヤに念のために注意しておく。
「オホホ、我慢できないかも、見つけたら従魔にしてしまうかも」
「まぁ、ペットじゃなく従魔なら私は良いと思うけど、イリヤならリレットみたいに従わせられる事が出来るみたいだから」
レンカは従魔なら別に構わないとイリヤに伝える。
「あ~、ティマーね、イリヤは本当に万能よね、イリヤが責任を持って管理するなら別に良いか」
リンカもティムするなら良いかと認める。
「ティマーって、ティムした従魔と一緒に戦う感じでしたっけ」
「まぁ、そうたけど、だからと言ってリセットみたいに巨大なのは飼えないからダメよ」
リンカがイリヤに念押しして言う。
「ハーイ、その点は大丈夫です。うふふ」
イリヤは従魔なら小さくて可愛いのは良いとお許しが出たので喜ぶ。
「イリヤ、明日にでもリセットの住処にいって調査しましょうか、私達もリセットの背に乗って空を飛んでみたいわ」
「私も飛びたいかも」
「そうですね、そうでないとリレットもね眠れないわ、でも空を飛ぶのは気持ちいいですよ」
リンカもレンカも明日にはリレットの住処の調査をする事になった。
翌朝になってイリヤはリンカとレンカと共に街を出て森の中へ入るとレッドドラゴンのリセットを呼んで、リレットの背に乗って空を飛びリセットの住処に向かった。
「う~ん、空を飛ぶって爽快ね、気持ち良いかも」
「本当、こんな経験滅多に出来ないものね、風の抵抗が少なくて爽快だわ」
「うふふ、そうでしょう、リレットはいい子だから気を利かして結界を私達に張ってくれているのよ」
イリヤは自慢気にリセットを褒める。
「あれ、あそこの森から瘴気が出てるわね、このまま放置すると街の方に瘴気が流れていくから拙いわ、浄化しなきゃ、リレットこの辺で旋回して貰える」
「グルル」
リセットが頷き旋回するとイリヤはステイタス画面で聖属性の封印を解く。
「リセット、瘴気が出ている森へ降りてくれる。リンカさんレンカさん結界を張るから地上へ降りてもリセットの傍にいてね」
「分かったわ」
リンカが返事をすると後方の乗るレンカも頷く。
リセットが瘴気が発生している森へ降り立つとレンカからリセットの背から降りて、最後にイリヤが降りると直ぐに手を組んで浄化魔法を唱えて森の周辺の瘴気を浄化する。
「凄いわね、一瞬で瘴気を浄化したわね、これが大聖女の実力なのね」
リンカが一瞬で周辺の瘴気が浄化されるのを見て感心する。
「うふふ、そうでしょう、さて瘴気の発生源はどこかしら」
「ねぇ、イリヤ、あそこに大木が倒れているけど、折れた幹から出てるじゃないの」
レンカが瘴気の発生源である折れた幹を指でさしてイリヤに言う。
「あれは、そうみたいですね、折れた木の幹が発生源みたいですね、レンカさん達も一緒に来てくれるリセットもね、私の傍を離れないでね」
イリヤが折れた幹の辺りから瘴気が噴出しているのを目視する。
「随分と太い幹みたいね、見た目で幅が5m位ありそうよ」
リンカが見た目でも木の幹の幅がかなりあるなと告げる。
「まさか伝説で云われている精霊樹だったりしてね、大昔はそれなりに在ったみたいだけど古代の人々が過剰に斬り倒して全滅したとかね、それが原因で瘴気があちらこちらに発生し始めたとか言われてるみたいだけど」
レンカが幼い頃に祖母から聞いたお伽話の事を話す。
「あ~、亡くなったお婆ちゃんから聞いたお伽話ね、精霊樹って精霊とか妖精を生み出すとも言われていたわね」
リンカも幼い頃に聞いたお伽話の事を話す。
イリヤが折れた大木の幹を見て人の手で斬られた事を目視してから、倒れた大木の方へ行き大木に触れると神気めいたもの感じ取る。
「リセット、倒れた大木をこの幹の上に乗せられるかしら、再生してみるわ、リンカさん達も協力してもらえる」
「いいけど、倒れた大木を風魔法で持ち上げるよね、レンカも良いわよね」
「うん、分かったわ」
それから倒れた大木をリセットが起こし始める。
倒れた大木をリセットが起こして、リンカとレンカが起こした大木の根本に風魔法で浮かせて、リセットが折れた幹の上に押して乗せて切れ目に合わせる。
「いいわよ、そのまま抑えていたね、では再生するわ」
イリヤは繋ぎ合わせた切れ目に再生魔法を掛けて、切れ目の部分を繋ぎ直してから大木全体に再生魔法を掛けて大木を完全に甦させる。
「ふぅ~、何んとか甦ったわ、多分この大木は精霊樹だと思う。神気的なものを感じたわ、でも誰が何の目的で斬り倒したのかしら謎ね」
「あれ、あそこにあるのは泉かしらね、木が倒れていたから見えなかったけど」
倒れた木の下に隠れて見えなかった泉をレンカが見つけて、三人で行ってみる。
「ちょっと瘴気で汚染されているみたいだけど、浄化して見ようかな」
イリヤが泉に手を入れて浄化すると、泉の底から様々の彩りの透けた玉のようなものが浮かび上がり空へ飛び上がった。
イリヤの頭上周辺を何回か旋回してから精霊樹の方へ飛んでいくと、その周りにを飛びまわってまるで復活した事を喜んでいるかの様に見えた。
「うわ~、綺麗だわ、あれがひょっとして精霊なのかしら、初めて見たわ」
レンカが精霊を見て感動する。
「ありがとう、私は水の妖精よ、精霊樹が倒されて多くの仲間が消えちゃったけど、復活したからこれでまだ仲間達が蘇られるわ」
水の妖精がイリヤの肩の上に現れてイリヤにお礼を言う。
「えっ、ビックリした。水の妖精さんなのね、なら良かったわ、この泉で暮らしているのかな」
「えぇ、そうだけど、私と契約しない。私と相性が良いみたいなの」
「契約?でも私と契約すると、この泉から離れる事になるけど、いいのかな」
「うん、大丈夫、私が泉から離れる事で新たな妖精が生まれるのよ、それと聖霊樹の種が落ちているから拾って欲しいの、それで植えて欲しい所に種を植えて欲しいのよ」
「そうなの、まぁ、良いけど契約ってどうするの」
「私に名を授けてくれればいいわよ、可愛い名を授けて欲しいかな」
「う~ん、可愛い名ね、う~ん、うん、ウッティ、ウッティでどうかな」
「ウッティですか、私に合った可愛い名ですね、では契約です。チュッ」
水の妖精ウッティはイリヤの頬に信頼の証を示すキスをして契約成立する。
「さてと、精霊樹の種を拾ってから精霊樹を中心に人を寄せ付けない結界を張りましょうね、リンカさん、レンカさん、精霊樹の種を拾うのを手伝ってください」
イリヤは精霊樹の近くで彩りの綺麗な精霊達を眺めていたリンカとレンカに駆け寄り声を掛ける。
「精霊樹の種?それを拾うの、どんな感じの種なの」
「あれですね、どんぐりみたいのです。少し大きいですけど」
水の妖精ウッティが指を指して教える。
「えっ、妖精さんなのイリヤの肩に座っているの、可愛いかも」
「まさか契約したとか」
レンカがイリヤの肩に座っている妖精を見つけて驚き、リンカは契約したのかとイリヤに問いかける。
「はい、契約して欲しいと言われたので・・・」
「あっ、そうなの、イリヤだからそうなるのね、とにかく種を拾えば良いのね」
「はい、お願いします」
水の妖精ウッティが返事をする。
それから三人で精霊樹の種を8個拾って、イリヤのアイテムボックスに仕舞う。
「ご主人様、ありがとうございます。しばらくはご主人様の体内で休ませて貰いますね」
「分かったわ、暫らく休んでね」
イリヤが水の妖精ウッティに言うと、イリヤの胸元に飛んでいき溶け込むように体内に姿が消えていく。
イリヤは精霊樹の種を仕舞ってから、精霊樹の所へ行き幹に触れて呪文を唱えて、精霊樹周辺に幻覚を伴う人が寄ってこられないように結界を張る。
「ヨシ、これで好いかな、結界周辺にも霧も発生したみたいね、それじゃ、リセットの住処に行きましょうか」
イリヤが結界を張り終えると、また三人でリセットの背に乗って住処へ飛び立つ。
上空へ飛び立つと眼下に精霊樹のある森に白い霧が発生して森周辺を覆って広がって行くのが見えて、それがまた幻想的で美しくも見えた。
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