イリヤがBランクに昇格する。
この作品を選んで、お読で頂き、ありがとうございます。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
イリヤのメンバー登録が完了するとついでに盗賊団の剥ぎ取り品を受付嬢に渡して買取出来るものは買い取ってもらい、出来ないものは処分をお願いした。
剥ぎ取り品の中にBランクの冒険者証が混ざっていて、その者が何と100万ルディの賞金が掛けられていて、倒したのがイリヤだとリンカが話すとBランクに昇格した。
「オッ、やったなイリヤ、Bランクに昇格だってよ、おめでとう」
「ありがとうございます。賞金の報酬はリーダーのリンカさんの口座をへ入れてくださいね、その中からこれから掛かる経費を払ってください」
「えっ、良いのかそれで分かったわ、そうしてくれるかな」
「はい、畏まりました。あの暫らくこちらに滞在いたしますか」
受付嬢が申し訳なさそうにリンカに尋ねる。
「いいや、明日にでも次の街へ行く予定だけど何かあるのか」
「はい、近日中にスタンピートが発生する可能性があるのでBランクパーティーの方が居てくださると大変助かるのです。只今調査中ですが近日中に起こる事はほぼ間違いない様です」
「う~ん、どうするか、イリヤはスタンピートを経験したいか、結構ハードになるけど」
「別に構いませんよ」
イリヤはリンカの問いかけに即答する。
「うん、そうか、なら一週間だけ滞在を伸ばすから、それ以上は待てないわよ、ついでに調査にも参加させて欲しい、無報酬で長期滞在は厳しいからね」
「畏まりました。特別に調査依頼を出させて頂きます。あっ、剥ぎ取り品の査定が終った様ですね、5万ルディありますが、こちらもリンカ様の口座へ入金されますか」
「うん、そうしてくれるか、それから登録費用も私の口座から頼む」
「はい畏まりました。暫らくお待ちくださいね、イリヤさんのBランクの冒険者証の作成と口座の移設手続きに多少時間が掛かりますので」
「分かったわ、酒場で待つとしよう」
リンカが受付嬢に答えると直ぐに隣接している酒場の空いているテーブルに座る。
酒場の方は流石にスタンピートが近日中に発生するとあって、大抵の冒険者達は食事をすると直ぐに宿屋に戻って休んでいる様で意外と空いていた。
流石に酒場ではスタンピートの話題が主で、大聖女の話題はほとんど無くイリヤも精神的に落ち着いていられた。
酒場で座って待っていると割と直ぐに呼ばれたので、受付嬢から冒険者証を受取り、イリヤは真新しい冒険者証と口座の残高書を確認して間違いがなったのでそのまままマジックポーチ擬きに仕舞った。
イリヤの冒険者証に不備がなかったのを確認すると、直ぐに冒険者ギルドを出て宿屋の方へ向かって歩き、一時で用事が済んだので途中に在った武器屋に寄ってリンカが矢を補充する為に立寄った。
イリヤも武器屋に入るのは久しぶりだったので、レンカが矢を選んでいる間に剣が並べられている場所へ行き眺めていると、蓋の空いた樽の中に中古品の剣が入っているを見た。
その中古品の中に目を見張るほど黒ずんで錆びた剣があったので、思わず手に取るとそれは魔剣で魔晶石が少し欠けて使えなくなっていたけど修理すれば使えた。
値段も5万ルディだったのでイリヤは試しに買って修理してみようと、そのまま会計カウンターへ行って冒険者証の口座で会計を済ませた。
「何だイリヤ、そんな物を買ったの、随分と古そうだけど」
「うふふ、物は試しですよ」
イリヤはリンカに意味深に笑って答えて、買った魔剣をマジックポーチ擬きの中に仕舞った。
「そうなのか、まぁ、いいや、しかしマジックバッグは相変わらず高いな、せっかくイリヤが加入したからもう少し容量の多い物が欲しいだが100万ルディ以上するもんな、手が出ないわ」
「そんなに高い物を買うんですか勿体ないですよ、いざとなったら私が仕舞いますから大丈夫ですよ」
「えっ、そんな小っちゃいポーチの中にか」
「うふふ、実はこれは擬きでして、私はアイテムボックス持ちで容量はほぼ無限なのですよ」
イリヤがリンカに耳打ちして欲しえる。
「えっ、そうなの分かったわ、買うのはやめるわ」
「姉さん達、矢を50本買ったから戻るわよ」
レンカは矢を買ったのでリンカとイリヤに伝える。
「あぁ、分かった。戻ろ」
それから武器屋を出て宿屋に向かった。
「あの、今戻ったので鍵と食事を頼む」
「はーい、あっ、お帰りなさい。それでは鍵をお渡ししますね、食事もテーブルにお持ちしますので空いている席にお座り下さいね」
「うん、アッそれと今借りている部屋の値段って三人で一泊どのくらいなの、訳あって最長で一週間ほど滞在する事になってね」
「あ~、もしやスタンピートの対応して下さると云う事でしたら、一泊朝晩の二食付きで三人で2万の特別価格に致しますよ」
「そうか、取敢えず3泊分前払いさせて貰うは良いかしら」
リンカは冒険者証を会計する為に受付の女性に手渡した。
「はい、ありがとうございます。それでは6万ルディお支払いさせて頂きますね」
受付の女性は直ぐに会計を魔道具で済ませてリンカに返す。
「はい、冒険者証と明細書です。直ぐにお食事を運びますので席に着いてお待ちくださいね」
「あぁ、頼む」
リンカは返事を返すと直ぐに空いているテーブルに三人で座る。
「ところでイリヤ、さっきの古い剣をどうする心算なの」
「はい、試しに自分で修理してみようかと、スキルアップの為ですね」
「そうか、いったい幾つスキルを持っているんだい、イリヤってとんでもなく天才なんじゃないか、それこそ大聖女に匹敵するんじゃないのかなと思うよ」
リンカがイリヤを見て、呆れるほど凄い天才少女ではないかと思って話す。
「まさか大聖女様ほどではないですよ、確かに厳しく鍛えられましたけど育ての親にね、今となっては感謝してますけど」
イリヤは育ての親でもある神官長のセディスノア様の顔を浮かべてリンカに話す。
夕飯が配膳されて三人で食べながら、明日の調査の件について話し合い、明日にもう一度冒険者ギルドへ行ってどの辺りまで調査するかを確認する事にした。
食後に部屋に入ると二段ベッドが二つ左右の壁際に一つずつ置かれて真中にソファーセットが置かれていたので、三人でソファーに座ってイリヤは直ぐに黒ずんで錆びついた剣を取り出した。
「イリヤ、早速その剣の修復するのかな、見ていていいかな」
リンカが興味深げにイリヤに言う。
「はい、構いませんよ、たいした事ではないですから」
イリヤはそんな事を言いながら剣のグリップの中央にある楕円形の魔晶石に掌を重ねて魔力を流して状態を見ると、やはり中までひびが入っていて使えなかった。
「あ~、やっぱりダメか、交換しなきゃダメね」
イリヤは残念そうに言うとアイテムボックスからキングオーガの大きな魔石を取り出してテーブルの上に置いた。
「オッ、今アイテムボックスから直に取り出しのか、それにしても随分と大きな魔石だな、何の魔物の魔石なんだ」
「え~と、多分キングオーガの魔石かと、偶々出くわせてしまいまして10体くらいしか子分を連れていませんでしたけど」
「まさか全部倒したのか、キングを入れたら11体だぞ」
「はい、足元を凍らせて動けなくして、後は首チョンパーですね」
イリヤが簡潔に倒した状況をリンカに教える。
「はぁ~、オーガ単体だけでも簡単に倒せる魔物では無いだけどね、イリヤに掛かるとお茶の子さいさいみたいだな」
「でも、何でキングオーガの魔石を買い取って貰わなかったの、それ位だとかなり高く買い取って貰えるじゃないの」
レンカが素朴な疑問としてイリヤに聞いた。
「いや~、試しにオーガの魔石を一つ買い取って貰うために出しら、疑われてしまって大変でした。まだ13歳の時でしたので、だからその時に追加して三個さらに出したら、逆に信じて貰えましたけど、流石にキングのは出せませんでしたね」
「あ~、13歳の女の子が普通にキングオーガの魔石を買い取ってくれと出してもなかなか信用されないか、仮に信用されたら大騒ぎになって面倒な事になりそうだものね」
「はい、オーガ四体でも大騒ぎでしたけど、何んとかギルマスが出てきて治めてくれましたけど、叱られましたね、少しは控えろただのお嬢ちゃんじゃねんだろう、俺の立場も考えくれと言われましたね」
「そうよね、イリヤは只者ではないわね、他に色々と云えない事もありそうね、あえて聞かないのも冒険者のマナーだけど」
「アハハ、お二人を信じて言いますけど、私はこの通り元は金髪ですけどね、お判りいただけましたか」
イリヤはステイタス画面で聖属性の封印を一瞬解いて金髪にして二人に見せてからもう一度封印して水色の髪の毛に戻した。
「あ~、何となくそんな感じはしたけどね、これは私達だけの極秘事項よ良いわね、レンカ」
「うん、分かったわ、でもどいう仕組みなの簡単に色が変わるなんて、私には理解できないわね」
「大丈夫です。私も何でこうなるのか理解出来てませんから、ただ聖属性の魔法を封印するとなぜか髪の毛の色が変わるんですよね不思議です」
イリヤ自身も自分の事で不明な部分が何点かあるのは事実であった。
そんなイリヤを見てリンカとレンカは思わずお腹を抱えて笑いだしてしまい、イリヤがそんな二人を見てチョッと憤慨していた。
その後はイリヤはキングオーガの魔石を圧縮していき、いくつかの魔石を取り込ませて魔晶石に錬成して魔剣に合うサイズの魔晶石を完成させてから呪文を魔晶石の中に刻んで完成させて魔剣にはめ込んだ。
イリヤが魔剣を持って魔力を流すと、魔剣が光だして剣全体が水色に変色して凄く綺麗でまるで真新しい魔剣に変貌した。
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