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第196話 初めての任務

 翌朝、俺たちは穀倉地帯の警護をするため、街門を出ていた。


 昨晩は久しぶりにエレナと水入らず。存分にスッキリした状態で本日を迎えられている。


「若様、一応は私兵も出動させます。大型の魔物はお任せしてよろしいでしょうか?」


「ああ、問題ない。俺たちが先行するので農夫たちの警護をしてやってくれ」


 俺たち三人は穀倉地帯へと入っていく。


 大型の魔物は頭一つどころか、丸見えなので簡単に見つけることができた。


「エレナ、少し戦ってみろよ?」


「えええ!? 私が先に戦うの!?」


「俺がついている。絶対に危険はない。それより剣聖がどこまで戦えるのか見ておきたいんだ。これから先もずっと一緒に行動したいんだよ」


 エレナが戦えるのであれば、俺はずっとエレナと一緒にいることができる。


 この先に任務が増えたとして、エレナさえいれば俺は大満足なのだから。


「分かった。私もリオと一緒にいたい。伊達に剣聖じゃないってところを見せてあげるわ」


 エレナも乗り気だし、ここは愛の力で乗り切ろう。

 絶対に俺たちなら戦えるはずだ。


「行くぞ、エレナ!」


「分かった!」


 最初の魔物はエレファントドッグ。犬なのか象なのかハッキリして欲しいところだが、防御力が異様に高く、攻撃力もあるために危険度三等級に位置づけられている。


 エレナが剣を抜き、果敢に斬りかかっていく。


 俺はフレイムの準備をして、彼女の直ぐ後ろを追いかけていた。


「いくよ!!」


 俺は必ずフォローするつもりだった。いきなり危険度三等級は厳しいかと思って。


 だけど、俺は魔法を撃ち放てなかった。


 撃つ暇がなかったんだ。いきなりエレナが真っ二つに斬り裂いてしまったから。


「やったー!!」


 いや、俺の婚約者ちゃん強すぎじゃね?

 一刀で象を真っ二つにするぅ?


 刀身の五倍くらい大きかったけど、どうやって全体をぶった斬ったんだよ?


「エレナさん……?」


「何? 何か間違ってた?」


 俺は恐ろしくなっていた。


 女神様は俺の婚約者になんてジョブを授けてしまったんだ。


 こんなのが国にバレてしまえば、エレナは絶対に衛兵として登用されてしまう。


「エレナ、剣を扱うのは俺の前だけにしてくれ。君は異様に強い。ぶっちゃけ俺よりも強いんじゃないか?」


「あはは、それはないって! リオに敵う人間がいるはずもないじゃん!」


 いやいや、勇者レイスを間近に見てきたエマを見てみろよ?


 ポカンとして何も考えられなくなってんじゃねぇか。

 たぶんレイスよりも強いと思ったんじゃないか?


「エエエ、エレナ様、あた、あたしの無礼を許してくれると嬉しいかな?」


 ほら、完全に萎縮しちゃってるじゃんかよ。


 きっとエマはエレナが一般の令嬢と同じだと思っていたはずだもんな。


「エマ、別に敬語とかいらないわ。私の要求はリオに手を出さないってことだけ。約束できる?」


 エレナは切っ先をエマに向けて、そんなことを言う。


 笑顔が妙に怖かったのは俺だけじゃないはずだ。


「承知しました! あああ、あたしはまだ死ねないので、一つよろしくおなしゃあす!」


 これでエマのからかいがなくなるのなら、悪くなかったのかもな。

 少し残念な気もするけれど。


 このあとも俺たちは全力で魔物を狩っていく。


 丸一日を費やして、穀倉地帯に平穏をもたらせたのだった。

明日から夕方の更新となります。

よろしくお願いします(>_<)/

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