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第193話 後始末をして

「それまで大人しくしておるのだぞ?」


 とんだ茶番じゃないか。

 平たく言えば、二週間以内に荷物を纏めて国外へと立ち去れってことじゃんかよ。


 まったく甘すぎるぜ。王陛下は……。


「おいマルコス、俺は許してねぇけど、王陛下に感謝しろよ? それで白金貨を千枚いただこうか?」


 こいつが金を持っていては悪事を働くに違いない。資産はできる限り、没収しておかねばならなかった。


「早くしろよ? 先ほどの魔法で全焼させてもいいんだぞ? お前はもう罪人なんだし」


「わわ、分かった。少し待っていてくれ」


 恐らく白金貨千枚なんて、急に用意できる金額じゃない。俺の狙いは余力を割くことだけだった。


「すまん。これで勘弁してくれないか?」


 しばらくして戻ってきたマルコスは白金貨と金貨が詰め込まれた袋と、宝石などの宝飾品を運んでいる。


 ま、別に金が欲しいわけじゃない。とりあえず、これで溜飲を下げてやるか。


「さっさと荷物を纏めて出て行け。しばらくすると国境を越えられなくなるぞ?」


「わわ、分かりました! 直ちに!」


 慌てて去って行く後ろ姿には嘆息するしかない。あんなのでも上位貴族だなんてと。


「リオ、少しもらっていい?」


 ここでエマが指をくわえて聞いてきた。

 ろくな金じゃないのは分かっていたし、エマも仕事をしたからな。


「この金は三人で山分けとしようか?」


「やった! 教会はケチくさい報酬しかくれないのよね!」


 ま、それはしょうがないって。エマは報酬がもらえるだけマシな身分だし。


「さて、これからバジリスクを全滅させる。二人とも、俺の後ろに隠れていろよ?」


「了解。リオ、頼りにしてるわ」


 もう障害はなくなった。俺たちは侯爵邸を飛び出している。


 聞いた話では五体。そのうち一体は既に倒しているので、仕留めるべきは四体のみだ。


 このあと街を破壊するバジリスクを一体ずつ倒していく。フレイムは広範囲に火災を招くので、大剣の試し切りとさせてもらうことに。


 エマもまた解毒要員として走り回っていた。

 倫理観がまるでない彼女であったけれど、民衆たちを救うための正義は持ち合わせているようだ。


 結果的に侯爵領の中心地は広範囲に破壊されてしまったけれど、俺は何とか全てのバジリスクを斬り裂いていた。


 この分だと、四足歩行のバジリスクも敵じゃねぇな。


 自信を深めて、我が所領ウェイル辺境伯領へと向かうのだった。


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