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第176話 プランは一つだけじゃないわ

 私はとろけていました。


 英雄様に迎えに来てもらう夢とか、既にもう完璧に吹っ飛んでいるわ。


 眼前にいるリオしか見えなくなっていたの。


「エレナ……」


 急にリオが顎先へと触れた。


 これってキス? 私は直ぐさま目を瞑る。


 私だってキスくらいなら上手くできるわ。もう何度もしているのだし。


「ぁっ……」


 とても長い口づけでした。


 いやもう、雰囲気作りとか必要なくない?

 絶対にリオってば、ヤル気満々でしょう!?


「リリリ、リオ……、しし、寝室にいきましょう」


 ようやく第一段階突破。ここで断られてしまうと深追いしちゃいけない。


 同意してくれたのなら、モニカに聞いた作戦を遂行するだけよ。


「ううう、うう、うんうん……」


 あら? リオも凄く緊張しているみたい。


 リオも未経験みたいだから仕方ないわね。

 まあしかし、お互いが緊張している方が気が楽でもあるわ。


 私はリオを連れて階段を昇っていく。

 手前の部屋はクローゼットで、寝室はその隣です。


「ここよ……」


 扉を開いて気付く。

 私はモニカにそそのかされて下着を干していたのよ。


 既に雰囲気は充分だったのに、これじゃ痴女感しかなくない!?


「わわわっ! 下着、見ないで!」


 計画が破綻していく。

 何しろモニカが用意してくれた下着はスケスケな上に布が少なすぎる。


 一言でドエッチな下着だったんだもの。


 即座に回収して、カゴへと放り込む。

 てか、私って同じような下着を着ているんだったわ。


(どうしよう……?)


 ドエッチ下着を穿いていることは仕方ないわ。

 でも、即座に取り込んだのは間違いね。干していた下着を先に見てもらった方が、痴女感の緩和に繋がったかもしれないの。


「やってしまった……」


「え? どうしたんだ?」


 リオが心配している。

 本来なら、ここで我慢できなくなったリオが私を襲うはずだったのだけど、今や雨に濡れた子猫を見るような目。先ほどの雰囲気はなくなってしまった。


「ああいや、ベッドに座ってて……」


 仕切り直しよ。

 モニカによると、童貞は些細なことで機能を失うといいます。


 常にマックスの雰囲気を保ち続けなければ、直ぐに萎えてしまうのだとか。


「プラン2を実行……」


 だけど、私にはまだ先生が残してくれた別のプランがある。童貞も直ぐさま元気になるような雰囲気作りが可能なのよ。


 リオがベッドに腰掛けると、私は隣に座ります。


「すすす、少し熱いわ……」


 ここでドレスのボタンを一つ外す。元々、胸元が大きく開いたデザインなんだけど、一個外すだけで、放り出したかのようになるの。


 横目でリオの反応を見ている。すると彼は胸をガン見していました。


(やったわ。やはりリオは胸が好きなのよ。このままプラン2を実行ね)


 私は立ち上がって、戸棚からお酒を取り出します。


 プラン2の締めは酔った勢いに任せること。これは諸刃の剣であるらしく、呑ませすぎてはいけないらしい。


 だから、お互いに少しずつ。ほんのり頬が染まる程度に。


「少し呑みましょ?」


「おおお、おう……」


 再び彼の隣に。えっと、次は何するんだっけ?


 頭が真っ白になってきたわ。

 私はモニカに聞いた作戦を思い出せずにいます。まだ酔いは回っていないはずなのに。


 ひょっとして私はリオという存在に酔いしれていたのかも。


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