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第170話 大勝利

「その階級は戦将軍ジェネラル!」


 俺は息を呑んでいた。

 戦将軍ってマジ?


 詳しくは知らないけど、将軍っていうくらいだから凄い役職なんじゃないの?


「陛下、それは過剰な褒美では!?」


「何を言っておる? 其方は既にスタンピードから王都を守った。それだけでも、この褒美に値する。足りんくらいだ」


 俺の評価はもの凄いものだった。


 辺境伯の一員となった今、王家直属の役職に据えられたとして誰も文句を口にしない。それどころか、皆が祝福してくれたんだ。


「王陛下のご配慮に感謝を。なお一層、精進いたします」


 ここは素直に感謝を述べるだけだ。


 誰も反対しないなら、俺にとってそれ以上の地位は存在しないのだ。


「それでリオよ、本当にソフィアの婿となるつもりはないのか?」


 え? ここで聞く話?


 一応はちゃんと断ったはずだけど。


「その件に関しては誠に申し訳ございません。俺には決めた人がおりますから」


「ふはは! まあよい。事あるごとにソフィアが言うのでな? 我が娘ながら見る目があるわい」


 大笑いする王陛下に、俺は少しばかり安堵していた。


 命令されたとしたら従うしかないし、了承してくれて助かったぜ。


「それで陛下、エマにも国籍を与えてあげてください。彼女は黒竜退治に必要なんです。アルカネスト王国で自由に行動できるようにして欲しいと存じます」


 正直にこの要請は受理されないかもしれない。


 何しろ、帝国からの亡命という形になる。帝国が滅びていたとして、間者であるとの疑いを払拭できるものではないからだ。


「流石にそれは時期尚早かもしれんの。其方が信頼するのなら、受け入れる用意はある。しかし、自由に行動させるには時間が必要だ」


 まあ、そうなるだろうな。

 もしも、王国が拒否するのであれば、エマを再び聖王国へと連れて行かねばならない。


「どうにかなりませんか? 彼女は善良であり潔白。加えて、必ずや王国のためになるものと進言させていただきます」


 ジョブ聖女は女神様が与えた稀有な力だ。従って、王国もできれば手に入れたいと考えるはず。


「ならば、しばらく教会に所属してもらおうか。そこでの態度を見てからだな?」


「それで構いません! ありがとうございます!」


 現実問題として聖地母神教会は独立した組織だが、偽装の証明書を発行するくらいには息がかかっているのかも。


 聖地母神教会のセントリーフ本部だって聖女であるエマを無下には扱わないだろう。


「儂は全面的に女神エルシリア様の使徒を支持するぞ。エマには一定の制限を設けるが、基本的に自由を与える。また勇者リオには、あらゆる行動に自由を与えよう。対価として二人して世界を救うのだ!」


 俺はとてもいい施政者の国に生まれたらしい。


 やっぱ俺って強運なのかもな。もし仮に帝国で生まれていたとすれば、誰の目にも留まることなどなかったことだろう。


 才能が発現したとして、絶対契約の下にしか動けなかったはずだ。


「承知いたしました。俺にできることをやります。俺にしか世界の救済ができないのであれば、命を懸けて戦うと誓いましょう」


「今晩は部屋も用意するので旅の疲れを癒してくれ。晩餐の際には、詳しい話を聞こうじゃないか」


 再び鳴り響く拍手の中、俺の謁見が終わった。


 正直に疲れたけれど、打ち合わせ通りにエマが一言も発しなかったことは事が上手く運んだ要因に違いない。彼女が一言でも口を開くと大惨事が確定するのだし。


 とりあえず、大勝利ってやつ?


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