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第147話 脱獄

商業作品の連載準備に追われておりまして、一話当たりの文字数が少なく申し訳ございません!

それでも、何とか毎日更新するぞぉぉっ!(血の涙)どうぞよろしくです(>_<)/

 俺とエマは脱獄することで同意していた。


 このまま牢獄にいたとして餓死するだけ。そうなると王国も動き出すだろうし、どのみち戦争は避けられない。だったら、俺も生き残る方向で考えるべきだ。


「アタックエイド!」


 俺に確認を取ることなく、エマが攻撃力増強の魔法を唱えた。


 先に聞けよ。バフが必要なのかどうかを。


 どうもエマは俺の実力を過小評価しているな。


「おい、バフは解除できんのか?」


「はぁ? 何考えてるの? あたしのアタックエイドは攻撃力が二倍になるのよ? 鉄格子を破壊しなきゃならないのに、どうしてそんなことをいうわけ?」


「バフなどいらん。てかバフを入れると、牢獄が崩壊する」


 小首を傾げるんじゃない。


 どうしてもエマは鉄格子を破壊したいのだろうが、生憎と既に充分な威力があるっての。


「とりあえず、解除しろ。破壊できなければ、もう一度バフをかけてくれ」


「面倒なこというのね? 兵士に気付かれたら厄介よ?」


「良いから早くしろ」


 ブツクサと文句を並べながら、エマはキャンセルと口にした。


 初めから言う通りにしてくれ。俺は牢獄の崩壊で死ぬなんて御免なんだ。


「じゃあ、始める。俺の後ろに隠れていろ」


「どこまで自信家なの? 童貞のくせに……」


「るせぇよ。好きで童貞やってんじゃねぇわ」


 最悪だな。この女は……。

 まあしかし、共に脱獄する仲だ。喧嘩するよりも、俺は実力を知らしめるだけ。


「フレイム!!」


 いつものように右手を掲げて、俺はフレイムを唱えていた。


 ただ、ちょっぴり張り切りすぎちゃったかも。別にエマが美人だからと、頑張ったわけではないのだけどな。


 いつもに増して失われる魔力。眼前に構築された魔法陣は確実にデカい。


 この分では過剰な威力になってしまいそう。だけど、失敗するよりマシだよな?


「知ったこっちゃねぇ!!」


 俺はフレイムを撃ち放っていた。牢獄へのダメージは明らかであったというのに。


 刹那に噴き出す真っ赤な炎。嵐にも似た熱風が吹き荒ぶ。


 俺は魔法陣によって守られていたけれど、俺の言葉を信じていないエマはその限りじゃない。


 咄嗟に彼女の腕を掴み、俺はエマを抱き寄せていた。


「ちょちょ、これって……!?」


「黙ってろ!!」


 炎は視界にある全てを焼き尽くしていく。


 ぶっちゃけ、瞳に映るのは炎だけ。何かが焼け焦げていく音と匂いだけが結果を連想させていたんだ。


「嘘でしょ……?」


 フレイムの炎が消えたあと、ポツリとエマが言った。


 俺は予想していたんだけど、彼女には想定外だったのかもな。


 眼前にあった鉄格子は完全に溶けており、向こう側の石壁ですら溶解して巨大な洞窟が出来上がっていたのだから。


「フレイムって、こんなに凄いの?」


「俺は鍛冶もやっているんだ。いつもミスリルを溶かしている。この程度の鉄なんて余裕で溶かしてしまうよ」


「先に言ってくれない? 絶対に無駄になると思ってたわ」


「俺の実力を分かってもらいたくてね。ま、悪かったよ」


 とりあえず、俺たちは牢屋からの脱出が可能になっていた。


 あとは地上にいるだろう兵士の相手。大事にしたくなかったけれど、間違いなく大騒動になるだろうな。


 少しばかり嘆息しながら、俺とエマは牢屋をあとにするのだった。


本作はネット小説大賞に応募中です!

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