部活見学はドキドキです!
パート練習の音も放課後の校内を優しく包み込んで離さなかった
入学式から何日か経ち美月達と毎日一緒に登下校するほど仲良くなっていた。
今日の登校中急に瑠奈がこんな事を聞いてきた。
「今日はなんの日だ」
「えっ。あ〜部活見学できる最初の日」
「正解!さすが結衣わかってる〜」
「「いや、私達昨日から言ってたけど」」
「てへ。まぁそんなことより今日一緒に回ろ!パート練習の様子が見れるらしいよ」
「早く放課後にならないかな〜」
「「「同感」」」
「それはそうだけど、そろそろ時間やばくない…」
「「「「遅刻する〜」」」」
***
「ようやく放課後になった〜」
「別に遅かれ早かれ放課後はくるでしょ」
「そうだけど〜結衣辛辣」
「はいはい、それよりパー練の様子見に行くよ」
「ねぇ今結衣が言ったパー練って何?」
「はあーそのぐらい予習してきなさいよ」
「だから結衣今日辛辣すぎない」
「楽しみすぎて寝れなくてちょっと変なだけ」
「変すぎwで、結局パー練って何?」
「パー練っていうのはパート練習の略だよ」
「へ、誰?」
「あっこの人部長の…」
「桜木由実です。チェロのパートリーダーもしています。部活見学ですか?」
「「「「はい‼︎」」」」
「由実〜ヤッホーあっこの子達部活見学の子?」
「うん」
「はじめまして、オーボエパートリーダーの流川沙羅です。」
「「「「はじめまして」」」」
「その子達部活見学?えらい息ぴったりやな」
「「「「?」」」」
「あっ。名乗り遅れてごめんねトランペットパートリーダーの綾瀬美桜って言いますちょっと関西弁やけど許してや」
「あなた達は入るとしたらなんの楽器がやりたいの?さっきすごく楽しそうに話してたから気になって…」
「えっと私と私の右にいる子がチェロ希望で…」
「おい結衣何が右にいる子だ!」
「私がオーボエ志望で、」
「私がトランペット志望です」
「自分の楽器志望にしてくれると嬉しいなー」
「そうだよね!チェロなんてすごく嬉しいんじゃない?」
「めっちゃ嬉しい!チェロってマイナーな楽器だからやりたいって人少ないから嬉しい」
「由実〜色々と素が出てるよw」
「あっ‼︎」
由実先輩って意外とぬけてるんだなぁ〜と思っていると
「そろそろパー練始まるよ〜」
「あっ、ごめんいつでもパー練の様子見に来ていいからね」
「由実先輩なんか最後ふっきれてたような…」
***
「チェロ〜パー練始めるよ!」
「今日から新入生の子達が見に来るけど、まぁ普通にやろうね」
「由実それは無理だと思う」
「冬羽なんでよ」
「新入生めっちゃこっち見てて愛子が陰キャ発動してる」
「あばばばば」
「愛子!頑張って」
「そそそそ空先輩軽すぎますってぇぇぇぇ」
「愛子やばw」
「麻友奈笑うなぁ〜」
「茶番はそれぐらいにして始めるよ」
「茶番なんかじゃないですよ」
「ちょっとずつ慣れてるじゃんその調子で頑張れ」
「だってあの2人ずっとこっち真剣な眼差しで見てますよ。緊張ぐらいあそこまで見られたらしますよ」
「普段から隠キャすぎて緊張してるじゃん」
「麻友奈うるさい」
「ほら二人ともいい加減始めるよ(圧)」
「「すっすいません」」
「まず音階から」
♪〜
「少し音ズレてるけどまぁ今日はよしじゃぁ次に定演で弾くメイン曲の練習するよ。」
♪〜
「ねぇ結衣定演って定期演奏会の略?(ボソ)」
「うんそうだよ(ボソ)」
「ていうかさ」
「「すごいうまい」」
「tuttiの時も上手だったけどパー練でも上手い入部した後が怖い」
「ほんとそれ!ていうか結衣tuttiて何?」
「あんたさっき何に『そうだね』っていたの?」
「入部後が怖いって話」
「なるほどでtuttiっていうのは…」
「みんなで合わせる合奏のことだよ」
「「えーっと誰ですか」」
「ごめんな。春椙女子オーケストラ部顧問兼指揮者の藤原恭介だ」
「「あっよろしくお願いします」」
「チェロ第一志望なのか?」
「「はい」」
「今年は熱意のある生徒が多くていいな」
「「?」」
「さっきトランペットとオーボエで似たような子がいたから」
「「それ私たちの友達ですw」
「あぁそうか。ところで面接用紙はもらったか?」
「「いいえ」」
「面接用紙を貰って面接受けないと入れないから後でしっかりもらいなよ」
「えっと誰に貰えばいいんですか?」
「あぁ部長に言えば貰えるよ。おーい由実後でこの子達に面接用紙あげとけよ」
「はい!」
「そろそろパー練終わろうか」
「ありがとうございました。(チェロ全員)」
「あっチェロ志望の二人〜はい面接用紙」
「「ありがとうございます」」
「あれ?4枚ですよ?」
「さっき一緒にいた二人も取りに来てなかったから」
「なるほど」
「結衣〜瑠奈〜帰るよ」
「「うん!由実先輩今日はありがとうございました‼︎」」
「うん。また面接の日にね」
「「はい」」
私たちが門をようとした時自主練の音が聞こえてきた。私は今日聞いた音を胸に面接の日へ挑もう!