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1章1話 キャラメイク

 まずは獲得できるスキルの確認をしよう。

 ぶっちゃけて言えば無限に近い程の数でスキルがあるからな。多いのに越したことはないが、色々と羅列していて正直見づらい。品揃えが多いのは結構なことだけど検索とかも文字を打つのが面倒だし、慣れるまでは少しだけ苦戦しそうだ。


 それで何を買おう……ってか、待てよ……?

 今更だけど、今、見えているこれらがリアルなものだとして本当に外の世界は変わっているんだろうか。家から出た時に槍を持っているから銃刀法違反とかになる可能性はあるかもしれない。


 ……すごく怖くなってきたな。

 そうなったら……暴れるか。それはそれで良さそうだ。まぁ、さすがにそんなことはしないが駄目そうなら……何かしら手はあるだろう。例えば魔法とかを取って見せるとかな。だから、心配する理由は無いか。……使えるかは分からないけど。


 うーん、まずは必要そうなスキルを考えるか。

 ステータスを上昇させるスキル、経験値を増やすスキル、ポイントを増やすスキル、物資を獲得できるスキル、物を収納できるスキル。


 まずはこれが最低条件だろう。

 レベルが上がりやすいうちにレベルアップによるステータス増加補正を取っておくのは絶対だし、スキルを買うためにもポイント関係はいる。他の三つはあれば必ず役立つから取れるなら……って感じだな。経験値に関してはポイントを代わりに使わなければいけないし絶対に必要とは言えない。


 戦闘はグングニールでなんとかなるだろう。それに戦っているうちに武器も得られるかもしれない。


 それなら銃が欲しい、遠距離でスナイパーとかかっこいいしな。


 とりあえず時間はかかったが関連したスキルは見つけられた。





 今のところ……身体強化、経験値増加、ポイント増加、異次元流通、異次元倉庫が必要そうか。


 ポイント系のスキルは(洋平専用)と書かれてるし、ポイント自体が俺専用の特性なんだろうな。……こういう特別扱いは嫌いじゃない。


 これでポイントの半分を使った。

 どれも便利で応用が利く分だけ他のものより割高だったな。下手をすれば武器よりも高い。それだけの価値があることに期待しよう。


 ……さすがにキャラメイクが終わった後はスキルを手に入れられないとかは無いよな……?


 いや、それはないだろう。

 ポイントと書かれている時点で買えるだろうし、キャラメイクの時しか使えないものだったら補正効果のあるスキルがあるのはおかしいからな。最悪、異次元流通でなんとかすればいいか。


 スキルは……他に槍術とかは必要だな。グングニールを使えなくなったら困るし。どういった効果があるのかは不明だが……トーシロの今よりは楽になると信じて買おう。


 後は刻印魔法と火魔法、水魔法か。

 説明欄を見る限り刻印魔法は刻印を物に入れて、使用者を制限させることができるようだ。絶対に必要になるだろう。世紀末の世界に盗っ人がいないとは言い切れない、というよりも、生きるためには何だってする人の方が多いだろう。


 火と水は生きるのに必要不可欠だ。ただただ集めて相手にぶつけて撃破なんてこともできるだろうし。それに最悪は超能力として稼ぐ手段になる。


 うん、獲得できた。ただ全部レベル一か。

 スキルのレベルは……十が最高、必要なポイントはそのスキルレベルの数値分か。


 要はあれか。一から二に上げるにはポイントを二使用する。二から三なら三ポイントというわけか。


 わかりやすくていいな。つまりは最高まであげるには五十四、そこまでポイントを必要としない。


 ポイントが俺専用ということはポイント以外でのスキルレベルを上げる方法もありそうだ。今は九くらいあればいいだろう。


 残ったポイントを全部利用して経験値増加とポイント増加は十まで上げた。


 他は在り来りなスキルだが使えるはずだ。

 身体強化を七まで上げて止めておく。いきなり身体能力だけを上げても体が持つか分からないし、ついていける自信もないからな。


 異次元流通と異次元倉庫は四だ。ぶっちゃけレベル上げのメリットは感じていない。まぁ、パッシブスキルのようなものだし仕方が無いか。


 刻印魔法は十まで上げた。

 火と水は五で止めて……おし、終わり。


 残ったポイント百七十二を割り振って幸運に当ててみる。できるみたいだ、一ポイントで五、上がる。

 幸運が五百になった所で上がらなくなった。魅了も同じだ。


 多分この二つは最初のキャラメイクの時にしか上昇できないんじゃなかろうか。だから、こうやって上限だってあるんだろう。そう考えると納得しやすいし勝手にそう解釈しておこう。残り十二ポイントはまぁ、残しておいていいか。


 完成したステータスをダブルタップした。


 少し体が光り収束していく。

 先と同じ要領でダブルタップしてみた。やっぱり魅了と幸運はいじれない。


 すぐに閉じる。特にやることもないし。

 体の変化はなさそうだな。


「ファイアーボール」


 出るわけないと思いながらやってみたが、どっこい目の前に一つの火の玉ができた。


 嘘ではないみたいだな。

 すぐに散らせるイメージをして消し去る。


 寝巻きのままだ。流石に着替えないとな。

 今日は記念日になるかもしれない。久しぶりに外に出た&世界が壊れる記念日。……まだ確定ではないが。


 ササッとジャージに着替えグングニールを持ちながら外に出た。


 居間にはウザったい親はいないようだ。いや、あのクソ女はどうせ仕事と偽ってどこぞの男と遊んでいるんだろうが。


 外はいつも以上に静かだった。

 一応鍵をかけはしたが戻ってくるのだろうか。


 まあ、いい。武器が悪目立ちしないか不安だが、妹の所へ向かおう。


 そんな時だった。

 一つの爆音が聞こえた。俺の目の前で、だ。


 マンションの窓からは何も見えない。

 俺は急いでマンションから出た。


「きゃあああ」

「うあああ」


 そんな阿鼻叫喚とした中、俺は笑ってしまった。

 ゲームのような世界。そしてチートを持つ俺。


 こんな世界を待っていたんだ。退屈な誰かに虐げられる世界じゃなくて……俺が虐げる側の世界。誰かに虐められるような世界ではない、それだけで俺はハッピーだ。


 よく冗談で世界が終わる前に何がしたい。

 そんな話をしていたっけか。そう考えると世界が終わる前もゲームしかしていなかったな。……まぁ、あの時の話の中での終わっているは世界の滅亡を指していたわけだけど。


 一体のオークが俺の目の前に来た。

 俺を見て餌を見るように視線で舐めまわしてきたが、それも今はどうでもいい。


 オークが向かってきてる。

 でもこれで死ぬんだ。たった横薙ぎのグングニールで。知っているさ、アイツもそうだった。


 腹と胴体を真っ二つに切られそいつは死んだ。


 あの時のアナウンスが流れた。

 本来ならばレベルが上がるんだろう。だが、俺には経験値の概念が無いからな。手動でレベルを上げなければいけない。一応、触れて異次元倉庫にそいつを入れておく。オーク肉が美味しいとかってラノベではよくあるからな。最悪は売れるだろう。


 戦っているところを見た人はいないな。

 そっちの方がありがたいのだが……うん、いないようだ。グングニールを片手に元から目指していた中学校へ向かった。

次回は明日の八時の予定です。

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