胸
美穂との過去を思い出し、私は短い吐息を吐いた。そんな声に反応した男が私を見つめた。お互いの瞳は熱を帯び、目が合った瞬間に男の瞳は射抜くようなものに変わり私の心はざわめいた。まだブラジャーの着いた胸に顔をゆっくりと埋め、大きく息を吸った。
私の胸はさほど大きくは無いが、小さくも無かった。形は丸く、葡萄の実ほどの大きさの乳輪に薄い桃色の乳首が添えられていた。早くその実を摘んでもらいたくて、胸に顔を埋め私の香水と入り混じった体の香りを吸い込む瞬間に体を弓形に反らせた。勿論、快感に震え、ビクンと跳ねながら…
男の手は弓形に反らせた背をゆっくりと這い、ブラジャーのホックを外した。
あぁ…これから更なる快楽が私を待っている…
そう感じながら、露わになった胸をすかさず手で覆い隠した。恥じらいも男を煽るエッセンスだった。隠されたら見たい、逃げれば追いかけたい、捕えたら離したく無い。それが男の本能だと理解していた。
「恥ずかしい?」
男は嬉しそうに尋ねた。
「恥ずかしい…です…あの…あまり、見ないで下さい…」
私は男から視線を逸らした後、再びゆっくりと視線を合わせる。少し上目遣いで、不安げに揺らめく瞳でもって男の情欲を煽った瞬間、私の両手首は顔の横へ押さえつけられそのスピードとは裏腹に首筋から胸へと舌がツゥっと撫でた。
「はっ…あぁ…」
嬌声が漏れる。我慢できない。痺れるような快感が胸から頭の芯へと駆け巡る。優しく胸の先端を舐め上げ、吸いながら少し歯を立てる緩急のバランスが、もっとしてほしいと言う欲望を加速させる。秘所がしっとりと潤むのを感じた。
欲しくて、欲しくて、堪らなくなる…
でも、焦ってはいけない。楽しみが長ければ長いほど、得られる多幸感は比例する。
もっと、して…私の欲望を満たして…
「あっ……はっ…あぁ…」
胸だけの愛撫にも関わらず、止めどなく声が漏れた。
そして思う、胸と一緒に私の花芯に触れて欲しいと…
行為はこれから、始まる…私の胸はこの上なく昂まった。




