2、初デート
放課後、ダッシュで『あの場所』に向かう。
担任の話が長くて、遅れてしまった。
『あの場所』に誘ったのは、私。
珍しく誘ったのに、これ?
遅れるとか、どんなけついてないのよ。
やっと着いたら、隼人はかんかん。
「遅い、どんなけまたしたんだと思ってんだよ」
「ごめん、ごめん。担任の話が長くって」
少し笑いながら言う。
隼人は、芝生に座ってる。
いつものように、私は横に座った。
「で、何のよう?那美から誘ってくるとか珍しいじゃん。言いたい事でもあるの?」
「うん、言いたい事あるよ」
「何?」
「明日、土曜日だし、どっか行こ?」
告白のときよりはすんなり言えた。
でも、ドキドキしてる。
隼人になんか言うだけでドキドキするって
私、ダメだな。
慣れないと。
「おっと、初デートっすか」
「そっか、初デートか。まだ、デートしたことなかったんだ」
初めて…か。
ドキドキするだろうな、私。
「那美は、どこ行きたい?」
「んーっと、プールは夏休みに行きたいし、映画は?今、ルーキーズやってるでしょ?」
「おぉ、んじゃ、明日行こっか」
初めてのデートは、大好きな映画だ。
初デートはやっぱり、映画でしょ。
だって、初めてのデートでドキドキして話せないときに、映画の話で盛り上がる!的な?
「んじゃ、明日迎えに行くな」
「別にいいよー。だって、遠回りになるじゃん」
「那美1人じゃ、心配だから」
「うるさい!」
迎えに来てもらうとか、本当のカップルみたい。
うるさい!とかいっときながら、すごく嬉しい。
映画に行く事になった。
オシャレしないとね。
明日が、楽しみで寝れないかも…!
と思ってたけど、ぐっすり眠れた。
「ぎゃぁぁぁぁ。時間時間!」
その上、寝坊。
「朝ぱらからうるさい、那美」
1階からお母さんの声が聞こえた。
私の部屋は2階。
2階から、大きな声で
「だってぇ、今日初デートぉ」
「そんな事言わずにさっさと用意したら?隼人君に嫌われるよ」
なんだかんだいって、お母さん、隼人の事気にいっちゃって。
まぁ、反対されずにすんだけど。
って思ってる前に、急がなきゃ。
長い髪の毛をポーニーテールにした。
いつもの私は、くくらずにそのままなんだけど、
今日は、髪の毛がはねてたから、結んだ。
…今日は、短パンに、半そでにっと。
マスカラだけしよぉっと。
「那美ー」
「あ、隼人」
私は、窓から顔を出して、
「今行くっ」
と行って、階段を猛ダッシュでおりた。
この頃、走ってばっかり。
「お母さん!お金ちょーだい」
「しょうかないわね。今日だけよ?」
前、友達と遊びすぎて、つかっちゃって…って理由考えてる場合じゃない!
私は靴を急いではき、外にでた。
「何してたの?」
「いやぁ…寝坊しちゃって」
外にでて早々怒られた。
こういうのもなれたから、大丈夫だけど、
今日一日もぅ、怒られないように気をつけよ。
「こんな大事な日に寝坊かよ。まぁ、いっか。いこ」
「うん」
隼人が手を出した。
「手、繋いでいこ?」
「わぁい、いいのぉ?やった」
なんか、彼氏っていいなぁ。
ましても、彼氏が、こぉんなにカッコイイ。
背も高くて、私の理想。
私はじぃーっと隼人を見とれてしまった。
「何?俺の顔になんかついてる?」
「んーん。私、隼人の彼女になれて良かったなぁ、って思って。だって、隼人、めっちゃカッコイイし、背高いし、私の理想の人だもん。ずぅっとこのままで居られたらいいのにな。隼人もそう思う?」
「思ったんだけどさぁ、そんなに俺と一緒に入れると思う?俺、モテルよ?誰かに気引かれて、彼女、違う人になっちゃうかもしれないよ?でも、那美が、俺の彼女にずっとなっててくれれば、一緒にいられるけどね」
「彼女の座は、ぜぇぇぇったい、誰にも譲らないもん」
そう、出来ればいいんだけど…。
どうして、こんなにモテモテの人好きになったんだろ。
ま、モテモテだから、好きになったのかもしれない。
みんなに愛されてる彼氏って、本当はいいかも?
「あ、近くの映画館でいい?」
「うん、どこでもいいよ」
「一応、チケット取っといたから。後で渡すね。他の映画館、予約でいっぱいだったよ。空いてたのが、すぐそこのちいさな映画館。まぁ、見れないより、いいけど」
「隼人、頼りになるぅ」
「那美が頼りにならないから、俺が世話してあげてんの」
「いいもん!頼りにならなくていいもん!隼人がずっといてくれればね」
どんなにきつい言葉でも、嬉しかった。
私、結局は隼人に頼ってばかり。
まぁ、今のうちに甘えとこーっと。
「もう、着くよ?」
「早っ着くの」
これじゃ、映画行く意味ない。
映画の話題で盛り上がるはずだったのに、
映画見る前からもりあがっちゃってるよ。
嬉しいからいいけど〜。
ルーキーズの観客席には人が1人もいない。
「わぁい、1番だぁ!嬉しい」
「何で嬉しいんだよ。待っとくのしんどいじゃん」
「暇な時、ずっと隼人と喋れるじゃん」
「えぇ。俺嫌。みんなに会話聞かれるし?」
うわ、そういうの気にするほうなんだ。
初めて知った。
結構、隼人って可愛いかも。
「あ、人増えてきた」
私たちの席は、一番上の席のど真ん中。
私の一番好きだ場所。
何で分かったんだろ。
隼人もこの場所すきなのかな。
なんだか今日は、ルーキーズが始まるのが遅ければいいな、と思った。




