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プロローグ
その女性は深夜に神社に来ていた。
自分で髪を切ったのか、左右の長さが合っていない。
「神様。わたし辛いの。彼とあんな、、、酷い別れ方をして、、。今年は会う勇気がなくて逃げてしまった。彼を思い出して毎日泣いてばかりいるのに、、。彼が私を避けるところを見たくなくて、逃げてしまった。。。」
御神前に筒状のものを置く。髪を紙で束ねたものだ。
彼女は自分の体に手をまわして抱きしめる。目から大粒の涙がこぼれる。
「もう諦めようって、、、」
彼女は泣き崩れる。
「神様お願い。思い出すと辛いから彼との思い出を消して、、、お願い。」