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どうやら飼い猫?

 私は順調に二階を陣地にした。トイレは二階、そこにもすっかり慣れた。が、先輩にとっては大事件だった。自分のトイレの近くに私のトイレがあるのがよろしくないらしく、一階で粗相をするようになったのだ。一階にトイレを設置しても、先輩は馴染めなかった。

「やっぱり、一緒に飼うのは無理だよ。早くずずの貰い手を探して」

 お母さんは言った。でも、貰い手はなかなかいないようだった。そんな間も、先輩は時折二階に顔を出し、その都度私は立ち向かった。先輩の強烈なパンチが襲う。何しろ先輩は体格がいい。重さもある。爪も桁違いに鋭い。吹けば飛ぶような私とは違うのだ。だが、私は機敏に応戦する。旗色が悪くなると、おなかを見せて転がってみる。が、先輩はお嬢様育ちでそんな猫のルールはご存じない。そこで強烈なパンチは私のでべそにヒットすることになる。見ていたお母さんははらはらするが、ここで間に入って先輩の顔をつぶすようなことはしない。私は自力で隙を見て逃走する。すると、どうもこの点がわからないのだが、先輩も一階に逃走する。そこで私はUターンして階段の上で足を踏ん張り、逃げていく先輩に勝利宣言をする形になる。これがいつものパターンだ。

 そんな先輩にお母さんは「にゃんが一番好き」と言って聞かせる。お母さんは二階にいる時間が長いので、やはり先輩は顔を出しに来る。お母さんの傍でゆったりお休みの先輩には、こちらも寄り添って眠ることもある。先輩はそんなときはやさしくなめてくれる。いい気持になってうとうとする。うとうとするのだが、つい、手を出したくなる。先輩の体の上に載ってみたり、軽くパンチしてみたりする。先輩はめんどくさくなって、どこかへ行ってしまう。お付き合いって、なかなか難しいものだ。


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