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転生したらダンマスだった件


「はいはい~注目でーす」

「はい! 巨乳!」

「……それではこのダンジョン、永久迷宮(エターナルラビリンス)の説明をしたいと思いまーす」

「イエス! 巨乳!」

「おい!」

「はい? 巨乳?」

「巨乳はやめなさいっつってんの! 巨乳……それはすべてを達成した者だけに与えられるものなのですから!」

「は、はい、きょ……教官」

「よろしい」


 ディアーナは胸のパットを直しながら説明を始めた。

 

 ここ、永久迷宮(エターナルラビリンス)は、地下に向かって広がる巨大迷宮(ダンジョン)であり、その奥底には大いなる秘宝が隠されているという。その秘宝を目指し、勇者や騎士、人外や海賊王などなど、腕っぷしに自信があるものが我こそは! と、こぞってやって来ているのだ。


 正しき者を導くため、神は試練を課した。それがダンジョンマスターだ。ダンジョンには5階層ごとにフロアを管理するダンジョンマスターが配置されていて、冒険者達からは階層ヌシだとか、ボスだとか呼ばれている。5がつく階層には小ボスが、10単位の階層には中ボスが配置されているのだ。さらに言えば50階層には大ボス。100階層にはラスボスがいるらしい。

 

「で、ダンジョンマスターがやられると、代わりを異世界から転生召喚してくるってわけ。んで、その30階層のダンジョンマスター、いわば中ボスね。として転生召喚されたのがアンタ、睦月ヒカルってわけよ」

「…………はい?」

「で~転生してきた人の能力がボスとして足りないな~ってなったら私達女神の出番。つまり私がアンタの能力を補完する女神様ってわけね。私チョーツヨよ? でもって美人よ? お得でしょ?」

「…………え?」

「ん? おつむが足りなくて理解できなかったのかな? だーかーらー! 美人で……」

「いや、言ってることは分かる……けど。えっと……中ボス?……なの? 俺が?」

「そだよん。んでもって私が美人の……」

「んーっと……ふ、ふつう冒険者じゃない? 転生とかって」

「んなわけないじゃん。そんなことより美人の私が……」

「いやいや、えっと、冒険者になることは……できないの? ジョブチェンジ的な」

「無理」

「即答かい!」

「だってそんなのあり得ないでしょ。神側(ゴッドサイド)の人間が冒険とかズルじゃない」

「な、なるほど。……じゃ、じゃあ、肝心のウフフでムフフな巨乳のご褒美はどうやって手に入れるので?」

「んとーこのフロアをまず30 回守り抜いたら……かな」

「よっし、やるぞー! 巨乳来い! 巨乳ハーレムだ!」


 ヒカルは身構えると辺りを見回した。その場所は天井までの高さが3~4メートル、広さが教室4コぶんくらいの広さのガランっとした空間で、後ろと前にそれぞれ扉があった。前にあるのは地下29 階層からの入り口で、後ろにあるのが地下31 階層への出口だ。どちらの扉もシーンと静まり返っている。


「こ、来ないな」

「そだね。ま、30階層だからね。かけだしの冒険者じゃなかなか来れないしね」


 ――ガタッ


 そんな話をしていると、入り口の扉の向こうから物音がした。

 

「そ、そういえばさ……俺、どうやって戦うの? 魔法とか?」

「ん? アンタって魔法使える種族だっけ?」

「い、いや」

「じゃあ無理でしょ」

「え? チートとかあるんだろ? 魔法じゃなければ……岩をも砕く剛拳だとかか?」

「チート? なにそれおいしいの? チーズ的なやつ?」

「いやいや、だってさ、ほら、オタクらが俺を召喚したんだよね?」

「そね。正確には神様的な存在がね」

「そしたらさあ~フツーはあるでしょ。最強化補正とかさ。武器とか能力とかそういうチート的な能力の付加が」

「そーなの?」

「そりゃそーでしょ、だって俺、ごくごくフツーのなーんの力もない小市民だよ?」

「マジ?」

「マジでーす!」

「って、どーすんのよ? どーするつもりなのよ? 結構強いわよ? ココまで来る冒険者は」

「いや、だからそれを劣化した女神様に聞いてるんですけど」

「烈火ね烈火! わかったわよ。とりあえず私が魔法詠唱しているあいだ持ちこたえなさい」

「え? ええええ――っ」


 ディアーナに押されヒカルが扉の前によろめいた時、扉が開いた。


 ――はぁ はぁ はぁ……

 

「こ、ここが第30階層か……ん? おヌシはなんだ?」


 それは四人組の冒険者パーティだった。


「きょ、巨乳キタ――――ッ! アマゾネスたんキタ――――ッ!」


 いいや、それは四人組の巨乳アマゾネスパーティだった。

 

 もはや、この異世界に対し現実感を喪失していたヒカルは、アマゾネス四人組に迷わず飛びついた。いいや訂正しておこう。四人組で一番巨乳のアマゾネスの胸に飛びこんだ。


「キャ―――ッなにコイツ! 新種のナメクジ? キモッ! 取って! はやく取って―――ッ」

「ん~~~~ムフフフフ~コレは約得約得~やっぱ異世界ってからにはこうじゃなくっちゃ~」


 ヒカルはアマゾネスな胸、推定Fカップの胸の谷間で顔をスリスリとしていた。


「ええい離れろ!」


 ――ガツンッ


 そして別のアマゾネスが剣の柄で思い切りヒカルを殴り飛ばした。


「ちょっとーヒカル! アンタなにしてんのよ!」

「イチチチチチィ……な、なにって、俺が盾になる。その間にオマエが魔法をぶっ放すんだろ? 俺にかまわずやれ! 我が屍を乗り越えて行くんだ! やるんだディアーナ!」


 ヒカルはディアーナの方を振り返ると、ヒカル史上最大級のキリッ顔をして見せた。


「そ、そうね……そうだったわね。ゴメン、疑ったりして」

「うむ、分かればいいんだよ。ってことでいっただきま~す!」


 今度は別のアマゾネスなバストにヒカルは飛びかかった。


「やんっ、ダ、ダメ、や、やめなさい! そ、そんなとこ触らないで! スリスリもしないでぇ~」

「………アイツ、絶対わざとね。いいよ、やったげる、アンタもろとも吹き飛ばしてあげるんだから」


 ――我、烈火の女神ディアーナの名において命じる。大気の赤き精霊よ。いざ、炎となりて敵をうちやぶれ!


 ――ファイヤーバードォオオオ エグゾースト!


 両手を広げたディアーナの背後に炎が生まれ、それは燃え上がりながら不死鳥の姿になった。


「アチ、アチチチチ」


 その灼熱の炎は、フロアの温度をみるみるうちに上昇させていき――


 ――ヴァーン ファイヤ――――――ッ


 掛け声とともに放たれた。


「うわぁあああああ――――――っ」


 炎はフロア全体をくまなく包み込むと、29階層の通路の奥まで突き抜けて行ったという。


 ――シュゥウウウ ジュワワワワァアア


 なにか肉が焦げるような匂いがして、ヒカルの視界は真っ暗になった。


 …………


 ――ヒカル……睦月ヒカルよ……目を覚ましなさい

 ――ガハッ!


「っておい! 俺死んでるじゃねーか!」

「んー、そうね。そ~みたいね」

「みたい? みたいだと! って え?」

「み、見んな! アッチ向いてろ!」


 見れば、ディアーナの服もあらかた燃えてしまっていた。


「ほ、ほほう、女神さま~胸はアレだけど、スタイルはなかなかのものですなあ〜ウンウン」

「って、見んなっつってんでしょ!」

「見んなって言われてもなあ〜そこに山がある限り登山家は頂上を目指すんだ! 双子山の頂上をな!」

「ア、アンタいつから登山家になったのよ! てかてかアンタも素っ裸じゃないの! 変態〜」


 その後、二人の服が再生するまでその追いかけっ子は続いたという。ダンマスとその仲間が装備していたものは復活とともに再生するのだが、タイムラグがあるのだ。

 

 ちなみにアマゾネスな冒険者4名も死亡……したわけではなく、装備品一切を剥がされ、外まで吹き飛ばされていた。また、そのうち金目のものはディアーナが手際よく拾い集めていた。


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