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魔神と遭遇

・・・歩いて十数分。目的の場所まで辿り着く。


「この壁だな。謎の魔法陣のようなものが描かれているくらいで、他には何も見当たらないよなぁ」


 俺が松明を掲げると、松明の明かりに照らされて洞窟の奥になにやら怪しげな魔法陣が見えた。

 バウエルがかりかりと壁を前足で掻いている。


「先ほど見かけたときはあまり気にしなかったけれど・・・」


 エルルがそう言いながら壁の魔法陣を手でなぞった。


「魔力、感じる。だけど、なんの魔法陣か、わからない」


 チムチムも魔法陣を間近で観察している。

 俺は松明を持って光源を保ち、みんなの調査をフォローした。

 10分ほど経過した頃。


「やはり何も無いな。チムチム殿にも詳細がわからない魔法陣のようだが・・・」

「ごめん。チムチム、なにもわからなかった」


 チムチムがすまなそうにしている。


「何かあると思ったんだけどねぇ」


 エルルもワンドで壁をコツコツ叩いているが何も起きない。

 バウエルはしきりに壁の辺りをくんくんと臭いを嗅いでいる。


「みんなで調べても何なのかは判別不能かぁ」


 俺がそういいながら初めて壁の魔法陣を触れた時だった。

 俺の体から黒い霧のようなものがぼわっと現れて、魔法陣に吸い込まれたような錯覚が見えた。


「あれ、シシトウ。今松明の炎が消えた? なんだか黒いものが見えたような・・・」


 と、エルルが疑問を投げかけたその時であった。魔法陣の壁がすぅっと消えた。


「あれ、壁が消えてるぞ?」


 俺が触れていたはずの壁が綺麗さっぱりなくなっていた。


「え、どういうこと? なにがあったの?」


 エルルが不思議に思い首をかしげている。


「どうする? このまま進むのか?」


 カルナは剣を構えて開けた道の奥を覗いた。


「よし、目標を発見しだい帰還する方向で!」


道が出来たと言ってもその先にお目当ての魔物が居ないでは報酬が出ないだろう。よって、可能なら見つけていこうと言う事だ。

 壁が無くなった通路を通ってさらに奥に進む。

 石壁や石畳の通路。何かしらの手の加わった洞窟。恐らくは正解ルートなのだろう。


「奥の部屋が少し開けているな。・・・何も居ないようではあるが」


 カルナが通路の先の様子を見た。

 さらに奥の部屋には床に魔法陣が描かれているだけで、他には誰も居なかった。

 みなが警戒しながら部屋の中に入る。


「結局、誰も無い」


 チムチムが部屋をひとしきり見回してからそう言った。そのときである。


「グゴゴゴァア!(侵入者だと!)」


 低い声がする。人間の声とも思えない、低くガラガラとした声がした。


「何? 今の声? どこから?」


 どうやらエルルも他の2人も言葉の意味を聞き取れなかったようだ。俺には相手の言葉が理解できていた。

 床の魔法陣が鈍く輝く。やがて、魔法陣の中央より頭部から大きな異形の角を生やし、鋭い棘を持った尻尾の生えた、全身黒色の巨体の魔神が姿を現した。その背には大きな翼までもがある。全員が驚き、部屋の入り口付近に避難した。


「ゴァァァァ!(暗黒神の加護でもなければ開けられぬ封印をどうやって!)」


 魔神の言葉がわかるのは俺だけのようだった。便利な翻訳能力は魔神の言葉にも適用されていたようだ。


「そんなの知らねえよ!」


 俺はいつものようにそう叫んだ。


「わっ、シシトウどうしたの? 魔神みたいな叫び声で相手を威嚇したりなんかして」


 エルルが俺を見て驚いていた。


「グッ? グググゴァァァ!(なんだと? 悪魔語を理解する人間が居るだと!)」

 魔神が俺をみて明らかに驚いている。


「・・・なぁ、エルル。魔神たちの言葉とか、わかったりするものなのか?」


 俺は俺で恐る恐るエルルに確認してみた。


「神学と対を成すように魔神たちを研究した悪魔学というのがあって、その悪魔達の言葉を研究する悪魔博士などの存在なら古代から知られているわ。かなり少数派で希少な存在だけど?」

「んー、わかった」


 俺は悪魔の言葉を理解可能な事を確認した上で、それが出来ると言う事は一応伏せておいた。


「グググァァアァァアア!(我らを研究する目障りな人間種か! 根絶やしにしてくれるわ!)」


 魔神が両腕に力を込めて魔力を解き放つ。


「あ、まずい。あの魔神、襲ってくる!」


 俺は言葉を翻訳はしないが、おおよその旨をみんなに伝えた。


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