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上位職

「薬草はこんなものでいいかな」


 買い物袋に一杯の薬草。用事も済んだので、拠点として使っている掘っ立て小屋まで帰ろうかとしたところ、見覚えのある姿が目の前を通り過ぎた。


「・・・ん、チムチムじゃないか。どうしたんだ、こんなところで?」


 チムチムは一枚の紙切れを覗き込んで歩いていた。


「シシトウ、チムチム、人探している。だけど、道迷った」

「んー? 俺でよければ手伝おうか?」


 俺はチムチムの持っていた紙を見る。手紙のようだった。


「この街、チムチム、親戚いる。挨拶、行こう、思った。場所、よくわからない」


 俺は彼女から目的地を聞いた。どうやら中層居住区という場所に居るようだ。名前を見た事はあったが、行ったことが無いので場所がわからない。


「街の中央付近の住宅街らしい。俺も同行しよう」


 俺はチムチムと町の中心部へと一緒に向かう。道中、人に道を訪ねながら目的地を目指した。


「そういえば、チムチムはどうしてこの街に来たんだ?」


 歩きがてら、チムチムの事を聞いてみた。


「チムチムの部族、大人になったら、外の世界、修行の旅、する」

「武者修行の旅をするのか。みんな魔法使いなのか?」

「魔法使い多い。けど、戦士、弓使い、色々居る。チムチムの一族、みんな魔力高い。親戚も、魔法使い。外の世界、歩かないと、新しい魔術、入ってこない。みんな、新しい、魔法、見つけて戻る。・・・チムチム、新しい魔法、覚えるの、苦手」


 彼女のステータスは間違いなく魔力全振りで知力を上げなかったケースなのだろう。なんとなくだがそんな気がする。俺も割り振れる総パラメータがわかっていればそうしていたかも。この世界での俺は平均振りみたいなものだ。・・・学業は程ほどに行っていたから知力はそこそこに高いと言われたんだろうが、水晶球みたいなものが俺の世界にもあったら間違いなく極振り人生を目指すと思う。


「俺、そこそこに勉強しかしてこなかったから、水晶球診断じゃあ何もなれないって言われたんだぜ。何か職業持てる人がすごいと思うよ」

「チムチム、生まれつき、魔力高かっただけ。・・・シシトウ、戦闘職ではないが、セージ、なれるかも」

「ん? セージ?」

「勉強できるなら、学術院で、セージ、目指せる。コモンスキル、博学の基礎、収める。スキル習得すると、なれる資格職」


 なにか受験勉強をやる羽目になりそうな話だと感じた。資格職・・・そんなものもあるのかと思った。


「戦闘職ではないけど、なれる職業はあるんだな」


 チムチムは頷いた。雑用から卒業は可能か。


「セージ、あらゆる文化、道具、魔物、精通する。後、シシトウ、語学力、神がかり。凄い。探検家、なれる。どこでも、行ける」


 謎の語学力は俺の努力じゃないし原理不明だが、これも役得というやつだろうか。有効利用しない手は無い。


「博学の基礎スキルを習得すればいいなら、早速師となる人を探したいな」

「師から学ぶ、内容。普通、3年かかる」

「え、いつもの感じで覚えられないのか?」


 チムチムが頷いた。


「だから、資格職、なれる」

「・・・まぁ、考えておくよ」


 3年。頑張れば夢のセージ職生活。たぶん堂々と後衛を張れる。何だ、このパーティ後衛しかいなくなるじゃないか。


「セージも後衛職になりそうだから、俺はみんなをサポートできるような中衛を張れるポジションを目指すよ」


 攻守、回復サポートもこなせる万能職をそのように言うと知っていれば、こんな事を言わなかったかもしれなかった。


「シシトウ、かっこいい事、言う」


 攻守、回復サポートをこなすようなやつなんて、それこそ勇者ヒーローとか魔法戦士ルーンファイター神官戦士パラディンみたいな最上位職を言うようだ。


「え、そうかな?」


 俺はサポート役を目指そうと言う謙虚な点をかっこいいと言われているのだと勘違いしていた。

 そんな会話をしながら歩いていたら、目的の中層住宅街に辿り着いた。


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