どきっ、後衛だらけのパーティ
その日一日かけて解体をする。
バッファローの角と食べられそうな肉を切り分けた頃には日が暮れていた。
最初の野営地点へ戻る。火を起こして夕食の準備をする。
「今日食べる分、持ってきた」
チムチムが野営地点とクレイジーバッファローの間を往復して戻ってきた。彼女は二キロほどの肉の塊を持ってきた。
「お疲れ様。無駄には出来ないものな。今日はこれも食べよう」
「もう日が暮れるわ。これ以上は近づかないほうが良さそう。肉食獣がやってくるから」
エルルの指示で持ってきた三つの肉の塊は、同じ牛の皮で密閉するように包んでおいた。
「言われたとおりに密閉したぜ」
「これでここには肉食獣が襲って来る確率がぐんと低くなる」
「血の臭い、隠した。エルル、頭良い」
「焚き火でほのかな臭いも消してしまえば大丈夫。後はチムチムの持ってきた食べる分を片付けてしまいましょう」
「今日の食事は昨日より豪華だぜ!」
バッファローステーキを食べる。意外と臭みも無く美味しい。鉄分が多く、疲労回復の効果も期待できるらしい。薬草の付け合せと一緒に食べた。
「流石に中々食卓に上らないだけのことはあるわねー」
「お肉、美味しい。元気出る」
エルルもチムチムも上機嫌だ。
「神様。今日と言う日に糧を得られたことを感謝致します」
エルルはお祈りを始めた。
バウエルも大きな肉の塊にありついて喜んでいる。
皆疲労していたが、戦利品を確保したことで安堵して眠りについた。バッファローの肉は薬草の付けあわせと相まって、一気に疲労が回復するのに役立った。高価だからと敬遠していたら、この薬草の素晴らしさにいつまでたっても気がつかなかっただろう。
翌朝。俺は20キロもの肉塊を皮に包んで背負い、さらに二本の角を持つ。エルルとチムチムもそれぞれ5キロもの肉塊を抱えて帰路を歩く。
「ねぇ、シシトウ。私も馬車を買う案に賛成する」
「チムチムも、異議なし」
パーティの心一つにして帰る道。同じ苦労を味わうことで一丸となった。
―冒険者ギルド ゼカイア―
いつもと変わらない冒険者ギルド。そこに帰還兵さながらに帰ってきた俺達パーティ。
「なぁ、みんな。賛成でいいんだな」
俺は今一度みんなに聞いた。
「私はかまわないよ。私はあなたの考え方にも賛成」
「チムチムも」
誰も意義を唱えなかった。
「給仕のおねーさーん。バッファローの肉を持ってきたよ!」
俺は馴染みの店でいつもの給仕のお姉さんを呼んだ。
「はいはい、これは素晴らしい! こちらで買い取りますね」
「それなんだけど、今日は俺達からのおごりだ」
俺達は自信満々に言った。
「ん? それはどう言う意味ですか?」
みんなで決めた。普段からこの冒険者ギルドにはお世話になっている。肉を売れば計り売りでも6000Gは行くだろうが、今日はお世話になっている人達への恩返しも兼ねて、バッファローステーキをおごることにした。出掛けに薬草を貰ったが、店で計り売りでも1000Gもするものだから、そのお礼としても十分だろう。
「ここのみんなでバッファローステーキを食べてください!」
俺の台詞に冒険者ギルド内から大歓声が上がる。総勢30キログラム。一人頭300グラムのステーキとしても100人分はある。
「やるじゃねえか、お前達!」「良くバッファロー狩りをそんな少人数で成功させたな!」「なんて気前の良い連中だ!」と次々と賞賛の声が上がる。
「エルルの作戦とチムチムの魔法のおかげさ」
俺は軽く謙遜した。
「あとはシシトウの度胸とね」
エルルが付け加えてくれた。
なんにしても、ギルドの人達と良好な関係を築くと言う俺の意見を、みんなは賛成してくれた。
「施しとは聖者の行い。あなたと言う同胞に恵まれたこと、神に感謝致します」
不殺生をモットーとするような、博愛を信条にしているであろう宗教の大神官。エルルは宗教観から良かったようだ。最近は彼女の俺の扱いもかなり良くなってきた。
「気前、良いオトコ、モテる。シシトウ、チムチムの、故郷来たらイイ」
狩猟を行う部族の生まれの魔法使い。チムチムは社会観から良かったようだ。彼女の事も少しずつわかってきた。
「みんなと仲良くやっていけそうでよかったよ」
初めての3人パーティ戦である今回。大戦果ともいえよう。
Quest Clear!! Result.
・5,000Gを獲得(バッファローの角の売却価格)
・冒険者ギルドのみんなからの名声
・バッファローの皮




