やくわり
よく考えると、トランプのカードって色んな見方ができますよね。
例えば、Aについて。
『A』のカードを数字に直すと『1』になります。
『A』と聞くと、『最強のカード』というイメージがありますが、実質その数値は『最小の値』。
『絵柄のカード』とは、ある意味全くの正反対に存在しています。
これって要するに、所詮『A』の強さは相手と戦う力にすぎず、英雄として名を残すことはあっても社会に対して与える影響は実は小さい。
社会を回しているのは『A』ではなく『絵柄のカード』たち。
そしてその社会を構成しているのは名もなき『2〜10』のカードたち。
わかりやすくするために単純化して学校のクラスで表してみましょう。
『A』というのは、要するにテストの点数で学年最高点を常にキープするような天才。
名声を得ているけれど、その言葉に影響力があるとは限らない。
『絵柄のカード』は、テストで常に学年の上位10%を取っている秀才たち。
多分彼らは、本気で勉強に集中したら、『A』と渡り合えるだけの実力はあるし、実際たまに順位が入れ替わることもある。
だけど彼らは別にテストで100点を取りたいわけでも、学年1位を取りたいわけでもない。
成績の5段階評価で最高評価を取るだけならば、学年1位まで取る必要はない。 友達と遊ぶ時間や、部活動や委員会活動などにも力を入れる。
『学年1位』の座は『A』に譲ることにして、代わりに上位陣で構成されるコミュニティーへの参加券を手に入れているのだ。
じゃあ、『2〜10』のカードたちは?
彼らは彼らで、小さなコミュニティを作っている。
例えば同じ数字どうし、あるいは同じマークどうしで。
ワンペアやらツーペアやらフルハウスやらフラッシュやらと。
自分自身の強さではなく、自分たちの中の良さによって、その強さを高めている。
だからこそ、自分が『絵柄のカード』であるからと言って、慢心してはいけない。
あなたは一人では、『2』のワンペアにすら劣るのだから。
だからこそ、あなたが『弱いカード』であったとしても、悲観することはない。
まずは仲間を見つけて、別のペアと協力して、『ツーペア』や『フルハウス』を作るか。
あるいは同じ趣味を持つ人間を集めて『フラッシュ』的な空間を作り出すか。
別にそもそも戦う必要もないんだけど、要するに戦い方はいくらでもある。
『絵柄』だとか『A』だとかにとらわれる必要もない。
自分たちがワンペアで、スリーカードの上位陣グループがあるなら、そこに加わってしまえばいい。
そうすれば『絵柄を含むフルハウス』というそこそこ強い組み合わせの誕生じゃないですか!
自分一人で戦おうとせずに。
自分たち一組だけで、戦おうともせずに。
周りと協力して。 周りを利用して。
弱者強者に関わらず、そんな発想が大事になってくるのではなかろうか。
なんて、思いました。