あらすじは書かないスタイル
なんだろう。
この気持ちはなんだろう。
憎悪でも苦痛でも嫉妬でもない。
どんな負の感情でもない、この気持ちはなんだろう…それに、なんだか眠たい…
あぁ、そういうことか。
私は死ぬんだ。でなければ眠たくはならない。
それに負の感情以外の感情を抱くわけもない…
でもあれだなぁ。
私、死んじゃうんだなぁ。
自分が誰かもわからずに死んじゃうんだなぁ。それは…少し…寂しいなぁ…
でも、最期に、最期の最期にこんな気持ちになれるのなら、私には…もう…充分…
「×××××××××」
えっ…今…なん…て…
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目を覚ますと私はよくわからない場所にいた。
だからまず始めにやるべきこは今どんな状況におかれているのかを把握することなんだケド…
「××××××」
それよりも、この人のことが知りたい。
何をいっているのかわからないけど不思議と落ち着かせてくれる、この人のことが知りたい。
顔を見るだけで胸の中の何かが熱くなっていく、この人のことが知りたい。
そう思うと私は勝手にこの人の過去を見ていた…
そしたら色々なことがわかった。(言葉や時間や場所等の基本的なことからこの人のプライベートまで)
勿論、この人が私を必死に助けてくれたことも。
そうとわかると、何か恩返しがしたい。
でも私は何も持っていないし何もできない。
それでも何か恩返しをしたい。
どうしよう、どうしたらこの人に恩返しができるんだろう…
そんなことを考えていると、遂に一つの結論に至った。
エッチしよう。
この人とエッチしよう。
この人の記憶によると男の人は美人とエッチするととても喜ぶらしい。(さらにこの人は私のことを美人だと思っている)
だからこの人とエッチをしよう。
この人に私のカラダを、この人に私の初めてを、捧げよう。
そう思った瞬間、私はこの人にキスしてた…
あっ、ダメだ。
このまま続きをすると私、恥ずかし過ぎて死んじゃう。
だって、だって、自分の唇をこの人の唇に当ててこの人の舌に自分の舌を絡ませただけでとても恥ずかしい。
それに心臓もバクバクしてるし顔もとっても熱い。
でもどうして、どうしてキスしただけでこんなことになるんだろう?
いや、そんなの考えなくてもわかっている。
わかりきっている。
私…この人に恋してる。
この人に出逢った瞬間から私はこの人に恋してる。
そう考えると余計、続けることができない。
だってこんなにほおけた顔しているのを見られるのはイヤだから。
でもこのまま続きもしたいし、でも恥ずかしいし、でも…でも…でも…私…どうしたら…
気付いたら襲いかかってました…
はい、反省はしています。
バーサーク女と呼ばれても仕方ないのもわかります。
でも、好きな人には名前で呼ばれたい…
そんな乙女心もあります。
そのためには私の名前を伝えれば…
あっ、私、記憶喪失だわ…
自分の名前知らないわ…
どうしようどうしようどうしよう、私、このままだと好きな人からバーサーク女って呼ばれ続けちゃう。
どうしよう、どうしたらバーサーク女以外の名前で呼ばれるようになるんだ…
そうだ!人の過去を見る魔法で私自身の過去を見ればいいんだ!
私、天才!というわけで私の過去を…
あれ?見れない…だと…
あっ、そうか。
この魔法は他人の過去は見れても自分の過去は見れないのか。
ヤダワタシノマホウツカエナイ…
いや、待て、待つんだ。
この魔法の使い方を教えて私の過去を見てもらえばいいんだ!
そうすれば私の名前がわかるわ!
よし、勝ったな!では少し、人の過去を見る魔法を教えてくる!
いや、待て、待つんだ。(二回目)
さっき彼の過去を見たときに生まれてから今までの全てのことがわかったわけではなかったような…
ということは…つまり…この魔法でわかるのって…
覚えていることだけ…
ヤダヤッパリワタシノマホウツカエナイ…
いや、待て、待つんだ。(三回目)
名前がわからなければ名前をつくればいいじゃない!
でも自分で自分の名前をつけるのならば自分らしい名前をつけなくちゃ!
というわけで私の特徴をまとめてみると…
⭕メッチャ強いヤッター
⭕戦闘狂ヤダー
ダメだ、バーサーカーしか思いつかない…
いや、待て、待つんだ。(四回目)
名前ってそもそも自分で付けるものでは…ないよね…
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というわけで、
アイリス、アイリスっていう素敵な名前を私は彼に付けて貰った。
彼にアイリスって呼ばれた瞬間、私は今、生きているという実感がわいてくる。
それに彼からこの名前で呼ばれると幸せな気持ちになれる。
だから私はこう言おう。
私の精一杯の感謝と愛をこめてこう言おう。
「ありがとう。ダーリン」
お風呂回は次、次だから!