初めてだから…その…優しくしてね
「初めてだから優しくしてね」
そういわれた瞬間、俺はいきなりキスされた。
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苦痛、恐怖、憎悪、自棄、嫉妬、憂鬱。
私は今、この世すべての負の感情を抱いている。いや、抱かされている。
そして見える景色はおびただしい数の死体。
ありとあらゆる生物の死体。
聞こえる音は何かがつぶれるような感じの気味悪い音で感じる匂いは死体の匂いだけ。
そのなかで私は動くこともできず、目を閉じることもできずにずっと立っている。
どうしてこんな目にあっているのかはわからない。
そもそも私が誰なのかもわからない。
何を思い、何を目指し、何をしたのかもわからない。
だけどもうそんなことはどうでもいい。
もうそんなことはどうでもいい。
私が願うのはただひとつだけ。
誰も聞いてはくれないかもしれない。
そんな資格もないかもしれない。
祈る資格も願う資格すらもないのかもしれない。
それでも、それでも私はこう祈る。それでも私はこう願う。
誰か…誰でもいいから…助けて…
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突然だがこの世界は魔法で成り立っている。
そして魔法を使うためのエネルギー、いわゆる魔力はありとあらゆる物に宿っている。
有機物から無機物までなんでもだ。(理由は不明だが)
だから、まあ、いろんなことが起こる。死霊が出てくることもある。でもなぁ…
「なんだこれは?」
気づいたらそう呟いていた。
家に帰ったら自分の部屋にあの人がいた。
きれくて白く長い髪に、非常に整えられた顔
カワイイというよりキレイな顔立ち
年齢は俺と同じ位(16歳)
胸は…あまり発達していないがそこがいいレス。はい。
そんな美少女、女神級の美少女が俺の部屋にいた。
自分が人生で初めて好きになったあの人がいた。
どれだけ探しても見つからなかったあの人がいた。
これだけ聞けば男ならエロゲー展開まったなしだと思う…
でもこれはないと思う。
腹に二本の刀が刺さっていて、両手両足には手錠がかけられている状態で俺の部屋に倒れているのはないと思う。
うん、ないと思う…が、取り敢えず治療しなくては。
そう思い俺は回復魔法を…ってあれ?効いてない。
いや、効いてないと言うよりかは無効化されている。
どうやら何かしらの魔法がかけられているようだ。
それなら先にその魔法を解けばいい…
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というわけで魔法を解いてみました!
具体的には外部からかけられる魔法を無効化する魔法、肉体的、精神的苦痛を与える魔法、そしてこのあの人の時間を止める魔法を解いてみました!
結構めんどくさかったけど世界最強の俺に出来ないことではなかなかったのでよかったです。(小並感)
よし、これで事件解決、そう思ってた時代が僕にもありました。
なんと時間を止める魔法を解いた瞬間に本格的に死にかけているではありませんか!(当たり前ですが)
流石にここまでして死なられたらショックが大きいです。
というか自分の初恋で最愛の人が目の前で死んだら明日から生きていけません!
なので突然ですが急に俺の家で倒れている美少女を助けるプロジェクト第二弾、はっじまるよー
というわけで治療してみました!(二時間位かかりました)
手錠も腹に刺さっていた二本の刀もとってあげました!
そしたらいきなりキスされました!
何をいっているのかわからないかもしれませんが、何が起きたのか俺もわからないです。
しかも、この美少女俺に処女を捧げるっぽいです。(でも処女じゃないんだよなー)
えっ何故そんなことがわかるかって?初めてだから優しくしてねって言われた瞬間にキスされたらそれしかないじゃないですかヤダー。
えっそっちじゃなくてあとの方?読んでいったらわかるよ!
でも、子作りはマズイ。冗談ぬきでマズイ。
勿論、俺がヘタレだというのもある。が、それよりももっと重大な理由がある。
それは俺が世界最強だということだ。
嘘でも大袈裟に言っているのではなく俺は世界最強である。
そしてそれはこの世界のエロい…じゃなくお偉いさん方や戦闘のプロが認める事実だ。
そのおかげで俺が世界防衛のお仕事をするようなってから結構犯罪が減ったらしい。(だって自分の組織をたった一人の人間に、しかも一瞬で何度も潰されると怖いからね仕方ないね)
報酬も高いから生活に困ることもない。
(この年で数えきれないほどの人殺しをしたのはどうかと思うが…)
それでも殺す殺さないは自分で決めれる、なんなら依頼者を殺してもなんの問題も無いというとてもフリーダムなお仕事でもあります。(殺ったぜ)
ここまで聞けば俺は苦労なんてしてないように聞こえるかもしれない。
だが世界最強というのはそんな甘いものではない。
世界が認める世界最強、そんな存在がいるということを危ない連中がどうなるか。
コイツの体の一部を使ったら自分専用の世界最強の軍隊が造れるんじゃね?
と考える連中が現れる。(経験者は語る)
そいつらのせいで人生をメチャクチャにされたやつや仕方なく始末したやつが何人もいる。
そんな人間をこれ以上出さない為に俺は髪の毛一本どころか唾液すらも残してはいけない。(精子なんてなおさらだ)
だから俺はここで本能のおもむくままに求めあってあわわわ…
「早く続きしよ?」
いかん、いかんぞ、この美少女とどめをさしにきたぞ!
このままだと向こうのペースに…
ってあれ?
「なにしてんの?」
気付いたらなんかめっちゃ殺気立っているんですケド…
なんかベットからおりてファイティングポーズとってるんですケド…
「なにって、殺しあい?」
「ハアアアアアアアア?」
知ってた…
このあとメチャクチャ殺しあった…
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「で、なんでいきなり襲いかかってきたんですか?」
俺は今、質問をしている。拷問ではなく質問をしている。
(相手は光の縄で縛られているが)
ドSから見ると美味しいシチュエーション、だが俺はSではないので興奮なんかしていない…ホントウダゾ…タブン…
「いやー強い相手がいると闘いたくなっちゃってついうっかり」
「うっかり。じゃねぇぇ。何処についうっかりで人を殺しにかかる奴がいるんだよ。状況を把握してないのに目の前に強い奴がいるからって殺しにかかるだなんて…意味わかんないよ!」
気付いたらそう叫んでました。尋問ってこんなに叫ぶモノなのでしょうか?僕にはよくわかりません。
そんなことを思っているとコイツは静かに、そして堂々とこう言いはなった。
「失礼ね、状況は把握してるわ。あなたが私を助けてくれたところからあなたが世界最強だということ、そしてあなたがマイストローとマイ箸を常に持っているところまで全部把握してるわ」
「そこまでわかっているんならなんで襲いかかるんだよ!ていうかなんで俺のプライベート把握してるんだよ!そこまでいくと状況把握じゃねえよ!余計意味わかんないよ!」
「いやだから強い相手が」
「そこはもういいよ!このバーサーク女。」
「私の名前はバーサーク女じゃないわ!私の名前は…」
おい、コイツ急に怒鳴ったかと思えばまた声が小さくなっている気がするんだが…これってまさか…
「私の名前は何ですか?」
「知らねぇよ!!」
多分俺のことも忘れてる…
タイトル詐欺じゃないよ!